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「コロボックル」シリーズ 佐藤さとるさん作品 コロナ下で静かなブーム 世代超え、変わらぬ世界

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画家の村上勉さんが描いた「だれも知らない小さな国」(2010年、講談社文庫)の挿絵原画=神奈川近代文学館提供
画家の村上勉さんが描いた「だれも知らない小さな国」(2010年、講談社文庫)の挿絵原画=神奈川近代文学館提供

 「だれも知らない小さな国」(講談社)などの「コロボックル」シリーズで知られ、2017年に88歳で他界した児童文学作家、佐藤さとるさんの作品群が、コロナ下の今、静かなブームである。旅行や遠出がしにくい日常の中、教えてくれることがあるという。佐藤作品に魅了される理由を考えた。

 「だれも知らない小さな国」は1959年に刊行された子ども向け長編小説である。主人公の小学3年生の少年が、家の近所の「小山」で小人の姿を見かけたことから物語が進む。賢くて愛嬌(あいきょう)のある小人たちや、小人の住む小山を開発から守ろうとする青年となった主人公の奮闘が、里山の豊かな自然とともに生き生きと描かれる。シリーズや絵本などの挿絵を担当し長年コンビを組んだ画家の村上勉さんによる愛らしいコロボックルたちの姿や精妙な絵も人気を博した。講談社によると、シリーズの累計発行部数は380万部にのぼる。

 「コロボックル」とは、アイヌ民話に登場する「小人族」のことだ。神奈川県横須賀市出身の佐藤さんは、肺結核の疑いで兵役を免れ、終戦直前の45年に北海道旭川市に疎開。その頃、同書の着想を得たという。海軍の軍人…

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