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心の眼

視覚に障害がある佐木理人記者が、誰もが不安を和らげ希望につながるような報道とは何かを考えます。

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心の眼

耳を澄ませて=点字毎日記者・佐木理人

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 数年前まで毎年夏になると、全盲の私は自宅から最寄り駅まで歩いて15分ほどの道のりが悩ましかった。小学校の横を通る時に襲われるセミの大合唱だ。

 周囲の音が全く聞こえない。方向感覚を失ってしまう。セミに罪はないと頭でわかっていても、足が前に出ずいらだってしまう。

 セミがすみかにしていた校舎裏庭の木の多くは、いつの間にか切り倒されたようだ。「ごう音」は消えた。ほっとしたが、なにか物足りない。

 一方、最寄り駅は便利な音があふれている。電車の到着を知らせるホームのメロディー。自動音声のアナウンス。どちらに向かう電車がやってくるのか。メロディーや自動音声の違いで判断できるからとても助かる。

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