国際課税逃れに包囲網 OECD、法人税15%以上で大枠合意

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国際課税を巡る主な動き
国際課税を巡る主な動き

 国境をまたいでビジネスを展開する多国籍企業から、いかに適切に税金を徴収するか。世界経済が直面するこの新たな課題を解決するため、130カ国・地域が足並みをそろえた。なぜ、いま新たな国際課税のルールが必要とされているのか。背景や課題を探った。

「多国籍企業に有利」阻む

 「世界経済をより公平なものにする重要な一歩だ」。バイデン米大統領は1日、声明を発表し、今回の大枠合意を歓迎した。麻生太郎財務相も2日の閣議後記者会見で、「歴史的だ」と意義を強調。フランスのルメール経済・財務相も、「過去1世紀で最も重要な国際的な課税合意だ」とコメントした。

 各国が最大限の表現で今回の成果を評価するのは、新たなルールが、これまでの国際課税の流れを一変させるインパクトを持つためだ。

 現在の国際課税の制度は約100年前に整備されたもので、主として製造業を念頭に置いている。原則、その国に工場やオフィスなど物理的な拠点を置く企業から税金を徴収するルールだ。

 だが、グーグルやアップルなど「GAFA」と呼ばれる米IT大手を筆頭に、国境をまたいでビジネスを展開する巨大多国籍企業が台頭。自国でサービスを展開しているのに、拠点がないため課税できない事態に各国が直面した。

 また、多国籍企業が低税率国や税金がかからないタックスヘイブン(租税回避地)に拠点を移す「課税逃れ」も横行。グーグルや米大手コーヒーチェーンのスターバックスが、低税率国に利益を移して課税を逃れていたことが発覚し、時代の変化に税制が合わなくなっていることが問題視されるようになった。

 一…

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