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耳が不自由な人や言葉を発するのが難しい人が、オペレーターを通して耳の聞こえる人とやり取りができる「電話リレーサービス」の運用が1日に始まった。モデル事業では、金融機関で「本人」からの連絡とはみなさないケースが報告されており、浸透には社会全体の理解が不可欠だ。【谷本仁美】
20年越し「インフラ化」きっかけは遭難事故
電話リレーサービスは、手話通訳や文字通訳が間に入ることで、聴覚障害者や発話が難しい人と、耳が聞こえる人が「電話」をできる仕組みだ。海外では、日本以外の主要7カ国(G7)など25カ国で公的に整備されている。耳が聞こえる人にとってはごく当たり前の電話を、気軽に使える「公共インフラ」にすることは、聴覚障害者が20年間求め続けてきたことだった。
国内では2002年以降、複数企業が電話リレーサービスに参入したものの公的支援を得られず、軌道に乗らなかった。13年から「日本財団」がモデル事業を始め、厚生労働省の補助を受けて利用者は少しずつ増えてきたものの、深夜は不通になる▽警察や消防への緊急通報はできない▽健聴者から聴覚障害者には電話できない――などの制約があった。
そんな電話リレーサービスの「公共インフラ」への機運が高まったのは、ある事故が…
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