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「足がないから、彼女と出会えた。私は幸せ」国境超えた二人の絆

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コロナ禍前の2019年世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会でフィニッシュし、たたえ合う秦由加子(右)とメリッサ・ストックウェル=横浜市中区で2019年5月18日、佐々木順一撮影
コロナ禍前の2019年世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会でフィニッシュし、たたえ合う秦由加子(右)とメリッサ・ストックウェル=横浜市中区で2019年5月18日、佐々木順一撮影

 東京パラリンピックは5日、開幕50日前を迎える。パラトライアスロン(運動機能障害PTS2)の秦由加子(40)=キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン=は、新型コロナウイルス下の長く孤独な戦いの末、東京パラリンピックを迎えようとしている。

 その道のりで不可欠だった存在が、ライバルのメリッサ・ストックウェル(41)=米国=だ。「足がないからこそ、彼女と出会えた。私は幸せです」。秦がそう言い切る、国境を超えた二人の「絆」とは――。【高橋秀明】

 5月15日に行われたトライアスロンの世界シリーズ横浜大会。秦は1年以上会えなかったストックウェルと再会を果たした。「彼女とはSNS(ネット交流サービス)でやりとりをして、それぞれの場所で頑張っているのを感じていた。すごく彼女が励みになっていました」。レース後のオンライン記者会見で、画面の向こうの秦はそこまで言うと、言葉に詰まり、瞳を潤ませた。

 2016年9月、南米リオデジャネイロ。トライアスロンが初採用されたリオ・パラリンピックのレース後の表彰式で、秦は観客席から銅メダルに輝くストックウェルを見つめていた。初めてのパラリンピックで6位入賞を果たしたが「今の実力では、あそこにはたどりつけない」。そう思ったという。

 米陸軍兵だったストックウェルは、米同時多発テロ「9・11」後のイラク戦争に従軍していた04年4月、バグダッドで移動中に…

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【東京パラリンピック】

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