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熱海土石流

静岡県熱海市伊豆山地区で2021年7月3日、大規模な土石流が発生しました。26人が犠牲、1人が行方不明に。

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「呼んでも声が返ってこない」妻が自宅ごと流され 熱海で土石流

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大雨によって土石流が発生した住宅街=静岡県熱海市伊豆山で2021年7月3日午後5時16分、本社ヘリから竹内紀臣撮影
大雨によって土石流が発生した住宅街=静岡県熱海市伊豆山で2021年7月3日午後5時16分、本社ヘリから竹内紀臣撮影

 静岡県熱海市伊豆山の造園業、田中公一さん(71)は3日夜、高台の駐車場から自宅の方をじっと見つめた。妻路子さん(70)が自宅ごと流され、安否不明という。自身は妻の友人の安否を確認するため家を出ていて無事だったが、妻は流される直前、知人に「(崩れた家の中で)挟まっている」と助けを求め続けていた。

 大きな音で土砂崩れが起きていると知った直後の午前10時50分ごろ、妻に「近所の友人と連絡が取れない」と言われ、田中さんは1人で車に乗り安否確認に向かった。だが、既に各所で土砂が流れ込んでいた道を通れず、1時間ほどして自宅に戻った。様子は一変していた。

 家の前の道に土砂が流れ込み、木造の自宅は大半がなくなっていた。「路子!」と何度も呼びかけたが、声は返ってこない。斜面の上側に隣接する住宅が崩れ、自宅の残った部分を今にも押し流そうとしていた。置き忘れていたスマートフォンだけ茶の間から回収し、自宅から出たところ、再び土石流が目の前を流れていった。「さっきまであった家もあっという間になくなった」。急いで高台に逃げた。

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【熱海土石流】

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