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入管・難民問題

国外退去処分になった外国人の入国管理施設での扱いが注目を集めています。難⺠に厳しいと言われる日本。人権は守られている︖

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来日2カ月「入管に深まる不信」 スリランカ女性遺族の憤り

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医師との面会を終えたウィシュマ・サンダマリさんの妹ワユミさん(左から2人目)とポールニマさん(右から2人目)=2021年7月2日午後4時51分、和田浩明撮影
医師との面会を終えたウィシュマ・サンダマリさんの妹ワユミさん(左から2人目)とポールニマさん(右から2人目)=2021年7月2日午後4時51分、和田浩明撮影

 「入管への不信は、さらに深まっている」。名古屋出入国在留管理局(名古屋市)に収容されていた今年3月に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)の遺族らは、そう語気を強めて話した。姉の死の真相を知りたいと来日してから2カ月。その憤りの理由、今後の方針などを聞いた。【和田浩明/デジタル報道センター】

「ごまかすのだな、と思った」

 5月初めに来日したウィシュマさんの妹で次女のワユミさん(28)と三女のポールニマさん(27)ら遺族は7月2日、名古屋掖済(えきさい)会病院の精神科医と面会し、診察時の状況について説明を受けた。

 同席した代理人の指宿昭一弁護士らによると、医師は入管職員から「『病気になれば仮放免してもらえる』と支援者に言われたころから、(ウィシュマさんは)心身の不調を生じている」と伝えられたと説明。これを基に「詐病の可能性」があると診療記録に書いていた。医師はこの判断について、入管職員の言葉がなければ「詐病は疑わなかった」と話したという。

 また、「病気になれば仮放免してもらえる」と支援者に言われたと入管職員が説明したとの話について、ウィシュマさんとたびたび面会していた支援団START(名古屋市)の松井保憲顧問は「『病気になれば仮放免』などとは言っていない」と否定している。

 医師はさらに、「別の病院の内科でいろいろと検査し、問題が無かったので精神科を受診した」と入管側から説明されたという。

 医師は同行した入管職員に、「(健康上の理由から一時的に収容を解く)仮放免をした方が(状態が)良くなる」と口頭で伝えたが、入管職員は「持ち帰って検討する」と答えたという。同病院の広報担当者は取材に「メディアにコメントはしない方針です」と話した。

 こうしたやりとりに関し、名古屋入管は取材に…

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