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ヤングケアラー

通学や仕事をしながら家族の介護をする子ども「ヤングケアラー」。将来が左右される深刻なケースも。

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ヤングケアラー、小学生も全国調査 政府方針、早期発見と支援狙い

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首相公邸(左)と首相官邸=東京都千代田区で2019年5月1日午前10時20分、川田雅浩撮影 拡大
首相公邸(左)と首相官邸=東京都千代田区で2019年5月1日午前10時20分、川田雅浩撮影

 政府は、通学や仕事をしながら家族の介護や世話をする子ども「ヤングケアラー」の実態を把握するため、今年度中に全国の小学生にアンケートする方針を固めた。政府は2020年12月~21年1月に中高生を初めて調査、その結果を4月に公表したが、小学生は対象から外れていた。調査対象を拡大することで、子どものケア実態をより正確に把握し、支援につなげる狙いがある。【山田奈緒、三上健太郎/デジタル報道センター】

 中高生への実態調査で家族のケアを始めた年齢は中学2年が平均9・9歳、全日制高校2年が平均12・2歳との結果が出た。過度なケア負担で学業や進路選択に支障が出たり、孤立につながったりすることが分かっており、実態調査を通じて小学生のヤングケアラーを早期に発見したい考えだ。

 調査方法は中高生調査と同様、厚生労働省と文部科学省が協力し、子どもに直接尋ねる形を検討している。ただ、低年齢の子どもは家庭状況を客観視することや質問内容の理解が難しい。有識者らから意見を聞き、質問方法などを調整する。

 小学生のケアを巡っては、研究者や自治体の調査でも実態把握は進んでいない。一般社団法人「日本ケアラー連盟」は15年に新潟県南魚沼市で、16年には神奈川県藤沢市で教員にアンケートし、間接的に小学生のケアを調べた。例えば南魚沼市では、働いている親に代わって年下のきょうだいを世話する小学4年の女児、精神疾患がある母の感情面をサポートする小学3年の女児、日本語が第一言語ではない母の通訳に追われる小学4年の男児――など、幼くても家族ケアの担い手になっている小学生がいた。

 政府は大学生も初めて調査する。ヤングケアラーに法令上の定義はないものの、同連盟は「18歳未満」と定義し、埼玉県が全国で初めて制定したケアラー支援条例も児童福祉法に合わせて「18歳未満」と定める。18歳未満との位置づけが主流だが、元ヤングケアラーや専門家から、ケア負担が大学生活や就職活動などに影響しているとの指摘が出ていることを踏まえ、調査対象に加えた。

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