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熱海土石流

静岡県熱海市伊豆山地区で2021年7月3日、大規模な土石流が発生。災害関連死を含む28人が犠牲になりました。

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熱海土石流、迫る命のリミット 捜索阻む泥、悪天候「歯がゆい」

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浜集落の復旧現場。道路を埋めた土砂を取り除く作業が進む。奥には崩壊したアパートが見える=静岡県熱海市で2021年7月5日午後5時49分、春増翔太撮影
浜集落の復旧現場。道路を埋めた土砂を取り除く作業が進む。奥には崩壊したアパートが見える=静岡県熱海市で2021年7月5日午後5時49分、春増翔太撮影

 静岡県熱海市を襲った土砂災害で、大量の土石流に見舞われた伊豆山(いずさん)地区のうち、二つの集落に5日、足を踏み入れた。生死を分けるタイムリミットとされる「72時間」が6日午前に迫る中、堆積(たいせき)した大量の泥が捜索や復旧作業を阻んでいた。

 海から直線で500メートルほど上った場所に位置する岸谷集落。幅数十メートルにわたって土石流が家々を押し流した。高台に立つと、泥の中にむき出しになった住宅の土台が残り、なぎ倒された電柱から電線が垂れ下がる光景が目に入った。今も灰色の濁流が音を立てて泥を流し続けている。

 この集落では今も、安否が分からない住民が複数いる。妻の路子さん(70)の行方が分からなくなった田中公一さん(71)はこの日も現場付近で捜索作業を見守った。家の向かいにあった鮮魚店も流された。「店を営んでいた母子の安否が分からない」。その方向を見渡すと、20軒近くの住宅が押しつぶされた様子が見て取れた。

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