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変わる企業のあり方 社会的責任果たす統治に

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 気候変動や人権といった社会問題への対応を、企業がますます求められるようになっている。

 経営のルールを定めた「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」が改定され、こうした課題への取り組みと情報開示の強化が必要になる。来春から東京証券取引所第1部を引き継ぐ「プライム市場」の上場企業に適用される。

 既に、投資家や消費者からの圧力は強まっている。

 今年の株主総会では、エネルギー事業に関わる商社や銀行で、化石燃料を扱うビジネスの縮小を提案する株主の動きが目立った。

 米石油メジャー・エクソンモービルの株主総会では、環境問題を重視する投資ファンドが推薦した取締役が選任された。

 「世界が脱炭素社会の実現に動く中、化石燃料を中核に据えた事業構造のままでは競争力を失う」とのファンドの主張に、多くの株主が共感したためだ。

 気候変動対策を単なるコストと捉えるのではなく、収益機会と位置づけ、経営戦略に反映させる必要性が増している。

 人権問題を巡っては、ユニクロを展開するファーストリテイリングが逆風に直面している。

 少数民族への抑圧が指摘される中国・新疆ウイグル自治区からの原料調達を疑われているためだ。同社は否定するが、米国で綿シャツの輸入が差し止められ、仏検察も捜査を始めた。

 同社は人権対策では先進的な企業だと評価されてきた。取引先工場を綿密に調べ、強制労働や低賃金といった問題が見つかれば取引停止などの措置を取っている。

 世界に生産拠点を持つグローバル企業にとって、下請けや間接的な取引先まですべてをチェックすることは難しい。

 それでも、対策に消極的な姿勢を示せば、投資先として不適格だとみなされかねない。

 多くの企業はこれまで、社会的課題への対応を収益に直結しない貢献策と位置づけてきた。しかし、それでは不十分だ。

 体裁さえ整えていれば事足りるという考え方では、市場の信任は得られない。経営者には、企業の社会的責任を成長のバネに転換する発想と決断力が求められる。

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