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「恐れるな」世界がたたえた同性婚支持演説 NZ元議員から見た日本

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2013年4月17日、ニュージーランド議会で同性婚法案の支持演説を行うモーリス・ウィリアムソンさん=議会のユーチューブチャンネルから
2013年4月17日、ニュージーランド議会で同性婚法案の支持演説を行うモーリス・ウィリアムソンさん=議会のユーチューブチャンネルから

 「同性婚を認めても社会は変わらず続きます」。かつて同性愛が犯罪だった国から、そう日本に呼びかける人がいる。ニュージーランドの元国会議員、モーリス・ウィリアムソンさん(70)。8年前にニュージーランド議会が同性婚を認める法律案を可決した際、印象的な支持演説を行い世界中から喝采を浴びた。演説は日本でも紹介され、閲覧回数が1200万回近い動画もある。日本では同性婚の承認どころか、LGBTなど性的少数者に関する理解増進を図る法案すら自民党が国会提出を見送るなど、政治の停滞が目立つ。状況を変えるにはどうすべきか。「取材を希望します」と日本語でツイートしていたウィリアムソンさんに直接聞いてみた。【和田浩明/デジタル報道センター】

同性婚法は「何も変えない」演説 世界的評判に

 ウィリアムソンさんは1987年に保守中道のニュージーランド国民党から出馬して国会議員に初当選。10期30年を務め上げ運輸相や通信相など閣僚ポストも歴任し、2017年に政界を引退した。その後は20年までニュージーランドの駐ロサンゼルス領事を務めている。

 その名を一躍世界に知らしめたのは、2013年4月17日、首都ウェリントンの議会議事堂で行った4分18秒の演説だ。婚姻法を改正し同性婚を承認する婚姻の定義修正法案を支持する内容だった。ニュージーランド議会のウェブサイトで全文と動画が閲覧できる(全文の日本語訳を記事末尾に掲載しています)。

 軽妙でユーモアに満ちた語り口で、しかし真摯(しんし)に、法案は「愛し合う2人の結婚を認めるだけだ」と繰り返し訴える。懸念を示している人たちの多くが一般の穏健派であることにも触れ、その懸念にも配慮する演説の白眉(はくび)は、この部分だ…

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