助け来ず、最期は押し入れで…西日本豪雨でこぼれ落ちた障害者の命

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6月の提訴時、2人の遺影を持って岡山地裁の前を歩く三宅常男さん=岡山市北区で2021年6月25日午後2時1分、岩本一希撮影
6月の提訴時、2人の遺影を持って岡山地裁の前を歩く三宅常男さん=岡山市北区で2021年6月25日午後2時1分、岩本一希撮影

 助けを求めるたった4文字のメールが最後のメッセージとなった。彼女は押し入れで、幼子を抱きかかえるようにして亡くなった。軽度の知的障害があり、大雨から逃げられなかった。なぜ、救助の手は差し伸べられなかったのか。こぼれ落ちた命のことを考えたい。

障害者らの避難計画作成進まず

 岡山県倉敷市真備町地区の住宅跡。3年前の西日本豪雨で浸水した家は取り壊され、空き地になっている。ここで三宅遥さん(当時27歳)とその娘の愛ちゃん(同5歳)が亡くなった。

 災害時、自分の身を守ることが難しい知的障害者は危険にさらされる。どう避難させるかが課題となっており、国を挙げた取り組みがなされているが、まだ途上だ。

 全国の障害者団体でつくる「日本障害フォーラム」が2019年の台風19号を受けて各団体にアンケートしたところ、1人暮らしの知的障害者から「避難するタイミングや場所が分からなかった」との声が寄せられた。国は、障害者や高齢者ら自力避難が困難な人を「要支援者」と位置付け、一人一人について避難ルートなどを定めた個別避難計画の策定を求めている。しかし全員分を作成した自治体は20年10月現在で10%にとどまる。国は21年度から作成を努力義務としており、作成率アップを図る。

避難所の場所が分からなかった親子

 遥さんの父常男さん(62)は雨が降り続いていた18年7月6日夕、…

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