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マタニティー婚をポジティブに コロナで式延期、専用ドレス人気

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結婚式当日の体形を予測し、おなか部分を膨らませた状態でウエディングドレスを試着する女性(右)。着心地などを花谷珠里さんが確認した=名古屋市中村区で2021年6月21日午後2時19分、加藤沙波撮影 拡大
結婚式当日の体形を予測し、おなか部分を膨らませた状態でウエディングドレスを試着する女性(右)。着心地などを花谷珠里さんが確認した=名古屋市中村区で2021年6月21日午後2時19分、加藤沙波撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大で、結婚式を延期する間に子どもを授かったり、妊活を始めたりする女性たちがいる。コロナ下ではマタニティー婚をよりポジティブに考える人が増えているといい、マタニティー花嫁専門のウエディングドレス店には多くの相談が寄せられている。【加藤沙波】

 公益社団法人「日本ブライダル文化振興協会」(東京都)の推計によると、2020年度に約27万組のカップルが挙式を延期・中止したとされる。ブライダル業界のコロナ禍の経済損失は今年5月現在、約1兆円に上ると試算。現在は回復基調だが、依然厳しい状況にあるという。

「全然苦しくない」 体に合った作りで美しく

 6月下旬。マタニティー花嫁専門のウエディングドレス店「JADEE(ジェイディ)」(東京都渋谷区)が名古屋市内のホテルの一室で開いた試着会に、岐阜県瑞穂市に住む妊娠6カ月の女性(32)の姿があった。20年夏に婚姻届を出したが、コロナ禍などで式の開催時期を模索する中で妊娠が判明。式は7月下旬に行う予定だという。

 マタニティー花嫁の気がかりの一つがドレスで、体形に合ったものや選べるほどの種類があるかが懸念材料となる。結婚情報誌「ゼクシィ」を発行するリクルート(東京都)によると、読者からは例年、「気に入る、着られるドレスが見つかるか」「体形が変わり、ドレスが入らなくなってしまうことはないか」などの声が届くという。

 ジェイディ代表の花谷珠里さん(58)は試着会で、女性の身長・体重や運動経験などの情報を基に、結婚式当日の体形を予測。専用のインナーの内側にタオルや綿を入れ、おなかの部分を膨らませた状態でドレスを試着してもらい、サイズ感や着心地などを確認した。計8着を試着した女性は「こんなにフィットするんですね。全然苦しくないです」と笑顔で話した。

 女性の職業はウエディングプランナー。これまで多くのマタニティー花嫁を見てきたといい、「ちょっとドレスが大きめかなと感じることもあったけれど、そういうものだと思っていた」。花谷さんによると、マタニティー専用ではない通常のドレスを妊婦が着ると、おなかに合わせたサイズになるため、胸もと部分などが大きくなりすぎることがあるという。

 ジェイディのドレスは、おなか部分に伸縮性を持たせたり、ウエストの切り替え位置を高くしたりするため、妊婦の体への負担を減らしながら、体に合った作りで美しく見えるのが特徴だ。

 花谷さんは全日本空輸の客室乗務員を退職後、04年にジェイディを発足させた。当初はウエディングドレスの輸入卸だったが、ある貸衣装店を訪れたとき「マタニティー用のウエディングドレスがあれば買うよ」と言われたことが転機となった。

 当時、マタニティー専用のドレスはほとんどなかったが、娘2人の妊娠・出産を経験した花谷さんは「妊娠中の体調や体の変化がわかる私だからこそできるのでは」と確信。友人のつながりなどで探したデザイナーらの協力を得て、ドレスを一から作っていった。06年からマタニティードレス専門店として稼働し、これまでに1000人を超える花嫁たちの体形を見てきた。

おなか目立つタイプのドレス選ぶ花嫁増

 ジェイディには今年初めごろから「結婚式を延期している間に妊娠した。すでに決まっているドレスが式では入らなくなってしまうため、こちらのドレスに変更できないか」「式を挙げる予定だけれど、妊活も始めた。妊娠した場合に合うドレスはありますか」といった問い合わせが増えた。花谷さんは「式の延期が続く状況下ではこうした妊娠を前向きにとらえ、マタニティー婚をよりポジティブに考える人が増えたように感じる」と指摘する。これまではおなかを隠すタイプのドレスが多く選ばれてきたが、コロナ下ではおなかの目立つタイプのドレスを選ぶ花嫁の割合が増えたという。

 コロナ禍でゼロの月もあった同社の売り上げは、今年5月は2年前と比べて約2倍に増加した。大阪や北海道など各地で試着会を開き、SNS(ネット交流サービス)で情報発信する中で、コロナ下でも需要をつかんでいるとみる。「妊娠しても、合うドレスはある。どんなタイミングでも、最高に美しい姿で式を挙げてほしい」。花谷さんは力を込める。

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