粗悪な学術誌「ハゲタカジャーナル」問題とは? 狙われる研究者

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ハゲタカジャーナルのずさんさを証明するため、米国の研究者が2014年に投稿した論文。科学的に意味のない文章にもかかわらず、掲載された。筆頭著者名は米国のテレビアニメ「ザ・シンプソンズ」の登場キャラクターと同じで、所属は架空の大学になっている
ハゲタカジャーナルのずさんさを証明するため、米国の研究者が2014年に投稿した論文。科学的に意味のない文章にもかかわらず、掲載された。筆頭著者名は米国のテレビアニメ「ザ・シンプソンズ」の登場キャラクターと同じで、所属は架空の大学になっている

 掲載料を目的にずさんな審査で論文を掲載するインターネット専用の粗悪学術誌「ハゲタカジャーナル」(ハゲタカ誌)への対策が広がっている。各大学で独自の取り組みを講じているものの、抜本的な解決策は見つかっていない。国内の対策の現状を取材した。

 ハゲタカ誌はネット上で公開され、無料閲覧が可能で近年急増している。著者が掲載料を支払えば、別の研究者による論文審査(査読)を通過せずに論文が掲載されるケースもある。研究者は、研究成果の論文が学術誌に掲載されないと業績と見なされないため、安易に業績を得られる手段として世界中の研究者に利用され、日本の研究者の投稿も後を絶たない。危機感を持った各大学などによる対策は徐々に広がっているが、ハゲタカ誌の明確な定義がないため健全な学術誌との区別が難しく、足並みはそろっていない。

査読なしで論文掲載も

 「大学が悪徳雑誌と認める雑誌に掲載された論文は、学術論文には含めない」。富山大は2019年6月、業績として扱う論文の定義を役員会で決定した…

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