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熱海土石流

静岡県熱海市伊豆山地区で2021年7月3日、大規模な土石流が発生。災害関連死を含む27人が犠牲、1人が行方不明に。

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名簿を手に祈る無事 安否不明者の家族や恩師はいま 熱海土石流

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土砂に埋まった建物の中を捜索する警察官ら=静岡県熱海市伊豆山で2021年7月6日午前7時半、小川昌宏撮影
土砂に埋まった建物の中を捜索する警察官ら=静岡県熱海市伊豆山で2021年7月6日午前7時半、小川昌宏撮影

 静岡県熱海市の伊豆山(いずさん)地区で起きた土石流災害は6日午前、生存率が急激に下がるとされる「発生から72時間」が経過した。雨や泥に阻まれて救助活動が思うように進まない状況が続く。県などが作成して公表した安否不明者名簿を目にした家族や友人らは、悲しみをこらえながら無事を祈った。

名簿に母と兄の名前、湧かぬ現実味

 神奈川県伊勢原市の男性会社員(55)は6日午後2時半ごろ、熱海市内の遺体安置所で、連絡の取れていない母天野稲子(いねこ)さんと兄初(はじめ)さん(56)の名前が、県警がとりまとめた安否不明者名簿に載っていることを報道陣から聞いた。男性は「何も分からなかったから、県警が名前を出してくれたことは良かった」とつぶやいた。

 2人は、被害のあった伊豆山地区で鮮魚店「魚春」を営んでいた。男性は3日昼過ぎにニュースで被害を知り、店や携帯に電話をしたがつながらない。「なんとか避難していてくれ。奥の家とか、配達で難を逃れていてくれ」と無事を祈った。だが、テレビには土石流に流されて何もなくなった店の跡地が映し出された。

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【熱海土石流】

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