中国のナショナリズム 異論許さぬ強制的同質化=北海道大公共政策大学院教授・遠藤乾
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中国では、革命の名所を訪れる観光旅行が盛んだ。共産党創立100周年=1=をはさんで、その誇らしい1世紀をたどるものらしい。
ときに人権や民主主義を虫けらのように扱う一党独裁の体制に毒され、なんともかわいそうな人たち。いきおいそんな視線で捉えてしまいがちな現象である。けれども、「屈辱の歴史」を乗り越え、世界最強の国に躍り出んばかりの新興国にあって、自らの人生を「中国の夢」になぞらえ、いわば自然に愛国的になる人は多いようだ。左右を問わず、トランプ、バイデン政権と2代にまたがりアメリカの政権に狙い撃ちされれば、いじめられた気にもなろう。反射的に自国の弁護をしたくなる人も数多くいるに違いない。
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