カナダで49.6度 熱波は「人為的な気候変動が要因」 論文発表へ
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カナダで観測史上最高となる49.6度を記録し、数百人の熱中症による死者を出した6~7月の熱波は人為的な気候変動がなければ、ほぼ起こりえなかったとする分析を国際研究チームが7日発表した。「急速に温暖化する気候は、健康、福祉、生活に重大な影響を及ぼす未知の領域に突入している」と警告する。
研究チームには、欧米の大学や気象機関から27人の科学者が参加。極端な気象現象に温暖化がどれほど影響したかを分析する「イベント・アトリビューション」と呼ばれる手法を用いた。発表によると、6月下旬~7月初旬にかけて米北西部とカナダ西部を襲った熱波は「1000年に1度の例外的なものだった」という。人為的な温暖化がなかったと仮定した場合に比べて、発生する可能性は150倍高まっていたと試算。今後、さらに分析を進めて査読付き論文として発表する予定だという。
カナダ南西部リットンでは6月29日、同国史上最高の49.6度を観測し、1937年に観測された最高気温を5度近く上回った。研究グループの英オックスフォード大環境変動研究所のフリーデリケ・オットー副所長は、「最高気温を(一気に)4~5度も更新するようなことは考えられてこなかった」と話す。さらにリットンでは高温と乾燥が続いて山火事が拡大し、カナダメディアによると街の大部分が焼失した。
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