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五輪の魔力「商業主義で巨大な怪物に」 スポーツ研究者の憂慮

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東京オリンピックのメイン会場となる国立競技場=東京都新宿区で2021年6月3日、大西岳彦撮影
東京オリンピックのメイン会場となる国立競技場=東京都新宿区で2021年6月3日、大西岳彦撮影

 東京オリンピックは開幕まで3週間を切る中、新型コロナウイルスの感染が首都圏で再拡大し、無観客開催の可能性が改めて浮上するなど迷走が続いている。「2020年東京オリンピックを問う」などの著書がある宇都宮大の中村祐司教授(スポーツ行政学)は「五輪には魔力があり、鵺(ぬえ)のような巨大な怪物になっている」と表現し、政局や商業主義でゆがんだ現状を批判した。【聞き手・竹内良和】

 ――コロナの感染が首都圏で再拡大しています

 ◆政府の優先度は「東京五輪」大なり「コロナ対策」になっていると思う。政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長ら専門家有志は、競技場は無観客が望ましく、観客を入れるなら開催地の人に限ると指摘した。東京の会場なら都民だけという意味です。でも、政府や大会組織委員会は、この提言を完全にすっぽかしていた。

 政府はヤワではない。コロナ担当の西村康稔・経済再生担当相は6月下旬の段階で「感染者が増えれば、緊急事態宣言なり、まん延防止等重点措置で感染を抑える」と明言しています。感染者が大きく増えても、五輪を開催する余地を残したのでしょう。このまま観客を入れて開幕に突っ込んでいくのは非常に危険です。

 春までは「無観客でも開催できるかどうか分からない」といった雰囲気がありました。でも、政府や大会組織委、一部のメディアはワクチン接種が少し進むと、さまざまな検証もしないままに「最低でも無観客ならばできる」というような空気を作り上げた。日本より接種が進んでいる英国でも再び感染者が急増しているにもかかわらずです。

 ――政府が今夏の五輪の開催にこだわる理由は何でしょうか。「国際公約」とも説明しています

 ◆政権延命のためです。五輪…

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