
無料通信アプリ「LINE(ライン)」ユーザーの個人情報が中国で閲覧可能になっていたことが判明し、個人情報の流出リスクに関心が高まっている。多くの人がスマートフォンやパソコンとは切り離せない生活を送る中、利用者は危険な状況におかれている。プライバシーを守りながら便利に暮らす方法はないのだろうか。
中国リスク、切れぬ現実 湯浅墾道・明治大教授
安全保障や治安維持のためなら、企業も民間人も政府の情報収集活動に協力しなければならない。個人情報を巡る中国の最大の問題は、2017年に施行された「国家情報法」などで、そう義務づけたことだ。政府は企業などに対し、保有するデータを提出するよう要求することができ、個人や組織を監視できる。「情報を暗号化しておけば安心だ」という考えは甘く、政府に暗号を解くことを求められれば拒否できない。
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