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もうすぐ楽しい夏休み。だが忘れてはいけないのが、宿題の定番、読書感想文だろう。提出期限間近の「瀬戸際」になって、我が子とともに原稿用紙に向かってウンウンうなった……なんて親御さんは多いのではないか。「自分もうまく書けなかったから」と、ついつい子どもに代わって鉛筆を握ってしまうケースもあるかもしれない。だが、教育論や勉強法など多くの著書がある教育学者の斎藤孝さん(60)は「感想文を書くことで、その本を読んで得られる価値が3倍にも4倍にもなるのです」と語る。そんな斎藤さんにコツを聞いた。【屋代尚則/学芸部】
「絵」を文章と一緒に
斎藤さんは子どもの頃、読書感想文を書くと本に対する考えが深まり、「本が自分の中に染み込んでくる感覚があった」という。例えば小学生のとき「フランダースの犬」(ウィーダ著・岩波書店など)を読んだときだ。ルーベンスに憧れて絵描きを志す少年ネロと、愛犬パトラッシュの悲しい物語。斎藤さんは原稿用紙の上半分に絵を描き、下半分に文章を書いて、物語への思いをしたためた。
「その時に描いた犬の絵は、50年ほどたった今でも思い出せます。読書感想文で本を読んだ価値が…
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