札幌の市街地に突如ヒグマ 人目につかない「侵入ルート」の正体
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

6月18日、札幌市東区の市街地にヒグマが突如現れ、住民ら4人を襲った。市内で人的被害が出るのは20年ぶりで、街中では初めてだった。200万人近くが暮らす札幌でも、山林に近い地域ならヒグマの目撃情報は少なくないが、今回出没したのは山から遠く離れた住宅街。どこから来たのかを探ると、住民には気づきにくい侵入ルートがあることが分かってきた。【北海道報道部・岸川弘明、真貝恒平】
札幌駅から3キロ、4人を次々と襲う
1人目が襲われたのは、JR札幌駅から北東約3キロ、市営地下鉄で四つしか離れていない駅の近くだった。早朝、ごみ出しに家を出た男性(75)が、隣家との隙間(すきま)にいたヒグマに出くわし、慌てて倒れたところを、背中に乗られたという。
ヒグマはその後も北上しながら、通勤中の会社員や陸上自衛隊駐屯地の自衛官に次々とけがをさせ、札幌丘珠(おかだま)空港近くの茂みの中へ。ハンターに駆除されたのは、最初の目撃通報から約8時間後だった。近くに住む女性(76)は「この辺でクマは聞いたことがない。おっかない」と声を震わせた。昨年、東区であったクマの出没情報は1件(市全体は95件)だけだ。
20日前の5月29日、最初の男性が襲われた現場から北東約10キロの石狩川河川敷で、ヒグマが目撃されていた。…
この記事は有料記事です。
残り1293文字(全文1838文字)