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瀬戸大也、金メダル候補が暗転 ゲームで現実逃避の日々

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世界選手権男子200メートル個人メドレーを制して東京五輪代表入りを決めた瀬戸大也=韓国・光州で2019年7月25日、宮武祐希撮影
世界選手権男子200メートル個人メドレーを制して東京五輪代表入りを決めた瀬戸大也=韓国・光州で2019年7月25日、宮武祐希撮影

 「後ろ向きなことを言ってはいけない」。競泳男子の瀬戸大也(27)=TEAM DAIYA=は、そんな「家訓」の下で育った。低調なタイムの時でさえ、取材エリアに現れると「タイムは全然ダメッす。でも、次につながる収穫の多いレースでした」とさらり。表情も晴れやかになる。

「死に物狂いでやってきた俺は…」

 そんな明るさが持ち味だが、東京オリンピックの1年延期は相当こたえた。

 「喪失感で抜け殻になりました。気持ちを切り替えて『来年頑張ります』なんて言えなかった」。2020年4月10日、珍しくSNS(ネット交流サービス)で弱音を吐いた。それでも「絶対に金メダルをとってやると強い気持ちを少しずつ作っていき、また再スタートします」と最後はつづってみせた。

 強がってはみたものの、どうしても1年延期を受け入れられなかった。「死に物狂いでやってきた俺は一体何だったんだ」「今年に合わせてきたのに、延期では不平等だ」。計り知れない当時の喪失感を、取材にこう明かした。

 「家で結構、ゲームばっかりしていました。現実から逃げ出していました」。5歳から水泳を始め、居場所だったプールからも遠ざかった。東京へ向けた挑戦を決めた、あの夏の日を忘れたかのように。

 16年リオデジャネイロ五輪男子400メートル個人メドレー決勝。同学年のライバル、萩野公介(26)=ブリヂストン=に前半で先行を許すと、トップ争いに加われないまま3位に終わった。「調子は悪くなかったけど、全力を出し切れなかった」。その悔しさが成長を促した。

 萩野が保持する400メートル個人メドレーの日本記録(4分6秒05)を塗り替え、東京で頂点を目指すためのレースを意識した。19年世界選手権は個人メドレー2種目を制し、東京五輪代表権を勝ち取った。その半年後には400メートル個人メドレーで日本記録に0秒04差に迫った。

 「水の怪物」と称された憧れのマイケル・フェルプス(米国)が持つ4分3秒84の世界記録について「(五輪までの)あと半年で、一段階ギアを上げるトレーニングができれば出せなくはない。世界新を口にして、練習でも意識していきたい」と話すほどだった。「いま五輪があれば確実に金メダルが取れる」と、歴戦のメダリストに言わしめた。自他共に認める金メダルまっしぐらの充実ぶり。だが、新型コロナウイルスによる大会延期は、心と体のバランスを狂わせ、魔が差した。

 自らの不倫問題は、…

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