レスリング川井梨紗子　もう「ヒール役」じゃない、真のエースへ

　予想外の結果に泣きじゃくっていた。2018年8月。アジア大会が開かれたジャカルタの地で、レスリング女子の川井梨紗子（26）＝ジャパンビバレッジ＝は3位決定戦に勝ち、銅メダルを手にしながらも、目を腫らして涙していた。

「一緒に五輪に出たいから」

　「自分が引っ張って、自分が優勝しないといけないと思っていた。器が小さかった」

　泣き疲れ、寝るまで悔しさしか残らなかった夏の日から3年。いまや、押しも押されもせぬ「日本のエース」だ。偉業を打ち立ててきた先輩同様、覚悟を持って自国開催の舞台に臨む。