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体操・北園丈琉 大けがから奇跡の代表入り「特別な力が…」

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大けがを乗り越えて出場した全日本種目別選手権決勝。最終種目の鉄棒で着地を決め、ガッツポーズをする北園丈琉=群馬県高崎市で2021年6月6日(代表撮影)
大けがを乗り越えて出場した全日本種目別選手権決勝。最終種目の鉄棒で着地を決め、ガッツポーズをする北園丈琉=群馬県高崎市で2021年6月6日(代表撮影)

 体操男子の代表選考レース中に大けがをし、一度は東京オリンピックへの道が閉ざされたかに思われた北園丈琉(たける)=徳洲会。周囲が「奇跡」と語る驚異的な復活劇で、初の五輪代表入りを決めた。奇跡はなぜ、起きたのか。ヒーローの背中を追いかけてきたチーム最年少の18歳は、鋼の意思を秘めている。

1本の電話。憧れの人の言葉に

 具志堅幸司、池谷幸雄、西川大輔、米田功――。大阪・清風学園の体操競技部の練習場には、五輪に出場したOBたちの写真パネルが並ぶ。「僕もあそこに並びたいと思ってずっと練習してきた」。北園は清風高を今春に卒業後、社会人の名門・徳洲会に所属しながら、同校を拠点に練習する。

 きっかけは、「仮面ライダー響鬼」だった。テレビの中のヒーローをまねて側転ばかりする3歳の北園を、母希望(のぞみ)さん(48)が自宅近くの「トミオカ体操スクール」に連れていった。小学生のころから、内村航平(32)=ジョイカル=に憧れた。初めて会ったのは小学4年の時。2012年ロンドン五輪の報告演技会が大阪で開かれ、内村も参加していた。翌13年9月、東京五輪の開催が決まり、「東京で金メダルを取る」と夢を抱いた。

 夢をかなえるため、14人のオリンピアンを輩出している中高一貫の名門・清風学園の扉をたたいた。入学当時の身長は、127センチ。小さな少年は「東京五輪で金メダル」の夢を語ったものの中学3年間は成長痛に苦しみ、大会にはほとんど出られなかった。筋力は強いが、技の習得に時間を要する不器用なタイプ。体操競技部の梅本英貴監督は、北園の可能性に懸けてきた理由を、こう明かす。

 「最初は五輪を目指して(清風に)入ってきても、だんだん現実が見えてくる。恥ずかしさもあり、『五輪に行きたい』と強く言えなくなる子が多い。だけど、丈琉は『五輪に出たい』ではなく、『団体と個人で金メダル』と言い続けてきた。絶対にぶれなかった」

 初めて北園を取材したのは18年11月。ユース五輪で個人総合を含む5冠に輝いた後だった。日本が団体総合で銅メダルに終わった18年の世界選手権に話が及ぶと、16歳の北園は言った。「中国、ロシアと差があり、今のままでは東京(五輪)でも負ける。僕がしっかり代表入りして団体優勝に貢献したい」。体操ニッポンを引っ張る存在になる――。強い意志を感じた。

 体操関係者から…

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