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新型コロナウイルスの感染拡大防止のため家族以外との会食は控えるべきだとされる中、人々は外食や友人知人らとの会食がいかに貴重なものだったかを実感しているのではないか。また、コロナ禍にもかかわらず地域の子どもや親らの居場所である「子ども食堂」が増えているという。昨年『縁食(えんしょく)論――孤食と共食のあいだ』(ミシマ社)を出版した京都大学人文科学研究所准教授の藤原辰史さん(44)に、「縁食」がもたらすものについて聞いた。
家族や親戚、集落の構成員などの共同体で食事をする「共食」に対して、一人で食べる「孤食」という言葉がある。藤原さんは孤食でも共食でもない「縁食」という言葉を編み出した。家族の枠を超えたメンバーで共にする食事のことだ。縁という言葉から想起されるイメージは、絆よりあっさりしていて、復古的でも閉鎖的でもない。具体的には炊き出しであり、町の食堂であり、子ども食堂である。
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