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「反日が五輪反対」 賛成派もあきれた安倍さんの「世界観」

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安倍晋三前首相が登場した「Hanada」8月号。「反日的」という安倍氏の発言が脚光を浴びたが、同誌では「反日」「売国」といった言葉は珍しくない。だからというわけではなかろうが、安倍氏の登場も珍しくなく、今回も前号に続き登場=2021年7月10日、吉井理記撮影
安倍晋三前首相が登場した「Hanada」8月号。「反日的」という安倍氏の発言が脚光を浴びたが、同誌では「反日」「売国」といった言葉は珍しくない。だからというわけではなかろうが、安倍氏の登場も珍しくなく、今回も前号に続き登場=2021年7月10日、吉井理記撮影

 お変わりありませんなあ……というのが正直なところ。安倍晋三前首相が月刊誌の対談で、東京オリンピックに反対する人々を「反日的と批判されている人たち」などとくくってみせた問題である。御年66歳。五輪の混乱を巡る自身の責任は語らずに、「反日」という言葉を振りかざす「安倍的世界観」を考えた。【吉井理記/デジタル報道センター】

責任語らぬまま、振りかざす「二元論」

 今とは別人のような安倍さんの姿である。安倍さん初の本「『保守革命』宣言」(共著、1996年)の一節だ。要約する。

 <(進歩的文化人やマスコミは)善玉・悪玉の図式で政治を論じていた。私の父(安倍晋太郎元自民党幹事長)も祖父(岸信介元首相)も政治家で、彼らが最も打倒したい相手でもあったわけだが、自分としては父も祖父も悪人ではなく、真摯(しんし)な一政治家と捉えている。それを善玉・悪玉論で片付ける人たちに対して、人間とはそんな簡単なものではないのではないか、と思わざるを得なかった>(同書40~41ページ)

 人間も政治も複雑だ。二元論で語れない――。同感である。だがそれから25年、同じ人物とは思えない発言が、安倍さんがよく登場する「Hanada」8月号で飛び出した。同誌常連のジャーナリスト、桜井よしこさんとの対談である。

 野党批判に始まり、安倍さんの五輪招致時の手柄話や五輪の意義、中国脅威論、自民党はスゴい、菅義偉政権は頑張っている……といった内容が続く。安倍さんがとうとうと語り、桜井さんがお説ごもっとも、とばかり合いの手を入れ、ともにメディア批判で気炎を上げる、というおなじみの構図である。

 一応、問題の箇所を再録する。桜井さんが五輪批判について「菅政権をひきずりおろすための政治利用」などと水を向けると、安倍さんがこう答える。

 <彼らは、日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか。共産党に代表されるように、歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています>

 毎日新聞の世論調査(6月19日)では「中止」「再延期」が計42%、読売新聞(6月4~6日)でも「中止」が48%である。コロナ禍は収束せず、ついに4度目の緊急事態宣言である。ワクチン接種も遅れに遅れた。開催に否定的な声が上がるのは当然だろう。こうした声を「反日的」とくくるような物言いは何なのか…

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