障害者を農業の担い手に 福井の果樹園「今年も食べに来て」

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ブドウ園で指導を受けながらブドウの手入れをする山口大貴さん(右)=福井県あわら市のあわらベルジェで、大原翔撮影 拡大
ブドウ園で指導を受けながらブドウの手入れをする山口大貴さん(右)=福井県あわら市のあわらベルジェで、大原翔撮影

 知的障害者や精神障害者などの就農を支援するNPO法人「ピアファーム」が運営する観光果樹園「あわらベルジェ」(福井県あわら市波松)が今季の営業を16日に開始する。同園は3万平方メートル超の広大な敷地でブドウとナシを育てており、林博文理事長(66)は「密を避けるなどの新型コロナウイルス対策をしながら営業する。果物を食べに来て癒やしのひとときを味わってほしい」と話している。【大原翔】

 林理事長は大学卒業後、障害者の介護や就労支援などに取り組んできた。その経験を生かし、2008年、障害者に働く場を提供する就労継続支援B型事業所として同法人を設立した。当時、同様の作業所で障害者が行っていた作業を人件費が安い海外に任せる企業が増え、障害者の働き口が減りつつあった。そのことを危惧していた林理事長は県内のナシ園の担い手が農家の高齢化で不足している状況を知り、15年に同園を開くことを決めたという。

7~9月にブドウ狩りが楽しめる「あわらベルジェ」=福井県あわら市で、大原翔撮影 拡大
7~9月にブドウ狩りが楽しめる「あわらベルジェ」=福井県あわら市で、大原翔撮影

 あわらベルジェは毎年7~9月に営業し、現在ブドウ22品種、ナシ15品種を育てている。林理事長はブドウとナシを栽培する理由を「朝早くに収穫が必要なキュウリやホウレンソウなどに比べ、手間がかからない。足元がおぼつかない障害者もいるので頭上に育つものを選んだ」と説明する。

 昨年はナシの約4割がカラスに食べられる被害に遭った。猛暑だったため、水分を求めたとみられるという。今年は食害を防ごうと、爆音機を5台設置するなどした。一方、ブドウは昨年、新型コロナウイルスの影響で他の観光地に行かなくなった人が来園するなどして活況を呈し、4400人が訪れた。今年は計5000人ほどの来園を見込んでいる。

 同園で働く山口大貴さん(32)は「暑い中での作業は大変だけど楽しい。多くの人に食べに来てほしい」と笑顔で話していた。月曜定休。入園料は600円(小学生以下400円、5歳以下は無料)。問い合わせは同園(0776・77・2930)。

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