美と欲望とまなざし 藤野可織さんが読み解く「あやしい絵展」
毎日新聞
2021/7/17 09:00(最終更新 7/17 09:00)
有料記事
2606文字
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

作家の藤野可織さんが、大阪歴史博物館(大阪市中央区)で開催中の「あやしい絵展」を鑑賞した。絵画や書籍の挿絵など約150件を通して、単に「美しい」だけではない魅力的な表現を紹介する本展。会場を巡り、「女性の表象の多さ」を感じたという藤野さんが読み解く「あやしさ」とは。
あざのある女性の絵
「私、猫派なので猫がいてうれしいです」。会場冒頭に飾られた稲垣仲静(ちゅうせい)の「猫」を前に、藤野さんが声を弾ませた。赤い布団の上にちょこんと座った姿が愛らしい。本展では「案内役」として絵にまつわる物語を解説するなど「あやしい」表現をめぐる旅をナビゲートする。
幕末~明治の浮世絵が並ぶ1章に始まり、2章以降は明治以降の近代化で、西洋からの影響を受けたさまざまな絵画表現が咲き乱れる。と、藤野さんはある作品の前で足を止めた。
この記事は有料記事です。
残り2249文字(全文2606文字)