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選手の多様性「差別的な批判やめて」 LGBTQ当事者の願い

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サッカー選手としてプレーする傍ら、多様性の発信を続ける下山田さん=東京都内で2021年4月12日、円谷美晶撮影
サッカー選手としてプレーする傍ら、多様性の発信を続ける下山田さん=東京都内で2021年4月12日、円谷美晶撮影

 東京オリンピック・パラリンピックは「多様性と調和」を大会ビジョンの一つに掲げ、大会を契機に多様性を受容する社会へ変われるかが問われてきました。LGBTQなど性的少数者の当事者として、多様性への理解を訴えてきた女子サッカー選手の下山田志帆さん(26)は、コロナ下で迎える五輪をどう見ているのでしょうか。【聞き手・円谷美晶】

 2019年、プロサッカー選手として2年間を過ごしたドイツから日本に帰国しました。誰もが自分らしく生きられる社会に日本が変わるため、やれることがあると思ったからです。20年の東京大会に向けて社会全体で多様性への関心が高まっている期間に、当事者のアスリートの声が隠れてしまっては本質が変わらない。この機会を逃してはいけないと思いました。

 当時は公にカミングアウトしている現役アスリートはいませんでしたが、同じような悩みを持っている30人以上の選手から連絡をもらいました。LGBTQ当事者のアスリートと力を合わせて何かできないかと考えながら、個人でも多様性に関する発信活動を続けてきました。

 この2年間でLGBTQや多様性への取り組みを進める団体や企業には仲間が増えていきましたが、アスリートの輪は想像していたよりも広がらなかったと感じます。スポーツ界には、いまだに選手が声を上げにくい空気が残っていたからだと思います。

 しかし今年に入り、社会でもスポーツ界でも変化を感じることが増えました。最近では、ラグビーの村上愛梨選手(横河武蔵野アルテミ・スターズ)や、サッカー女子元日本代表の横山久美選手がカミングアウトしました。声を上げる人が増えたのは、社会の価値観が変化していることも影響しているのではないでしょうか。

 大会組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言や、「LGBT理解増進法案」の議論の過程で自民党議員から出た差別発言に注目が集まり、世論の反響は大きいものでした。あまりにもひどい状況を目の当たりにして、今までは「仕方がない」と我慢したり、諦めたりしてきた当事者たちが、声を上げなければ社会は変わらないと痛感させられました。結果的に社会が前に進むきっかけになったと感じています。

 私自身も「ちゃんと政治に声を上げなければいけない」という、覚悟にも似た気持ちが生まれました。アスリートも政治に対して、きちんと声を上げるべきです。スポーツ界は…

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