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「映え」にこだわるのはもう古い。そんな考え方で開発された使い切りカメラのようなスマートフォンアプリが、10代~20代前半の「Z世代」を中心に浸透しているという。フィルムの現像さながらに、撮影した画像は次の日の朝まで見られない。だから、その場で画像を加工することもSNS(ネット交流サービス)に投稿することもできない。こんなアナログなアプリが人気を集めるのは、なぜなのだろう。開発会社に取材した。【三上剛輝/経済部】
このアプリは「Dispo(ディスポ)」。英語のディスポーザブル(使い捨て)の略だ。現在は、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」でのみ使える。
狭いファインダー、現像に時間
画面全体で被写体を見る通常のスマホカメラとは違い、画面上に現れる狭いファインダーをのぞいて、シャッターボタンを押して撮影する。ズームやフラッシュ機能はあるが、インスタグラムのように撮影後に明るさや色調を調整して画像の印象を変えるといった加工はできず、操作はシンプル。画像は翌朝9時まで「現像中」と表示されて、すぐには見られない。
一見不便に思える、このアプリ。開発した米ディスポ社の最高経営責任者(CEO)、ダニエル・リス氏(32)に理由を尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「昔はフィルムを現像してもらって、どきどきしながら封筒の中を確認しましたよ…
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