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気候変動

気候変動対策強化へ世界が動き始めました。日本も新たな目標を設定。地球を守るために何が必要でしょうか。

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脱石炭遅れるオーストラリア 背景に政治との蜜月 変化の鍵は日本?

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気候変動対策の強化を求めるデモに参加する人たち。手書きのメッセージボードは、与野党に対して「恥を知れ。本物の行動をとれ」と訴える=豪東部クイーンズランド州ブリスベンで5月21日、AP
気候変動対策の強化を求めるデモに参加する人たち。手書きのメッセージボードは、与野党に対して「恥を知れ。本物の行動をとれ」と訴える=豪東部クイーンズランド州ブリスベンで5月21日、AP

 脱炭素社会に向けた動きが世界で加速する中、石炭やガスなどを産出、輸出するオーストラリアが大きく後れをとっている。背景には化石燃料業界の巨大な政治的影響力があり、石炭に依存する日本も、間接的にその一端を担っている。【石山絵歩(バンコク)、八田浩輔】

 「環境問題のスケールと切迫性において、今の政権は意図的に目をつぶっている」。オーストラリア最大与党・自由党の元党首、ジョン・ヒューソン豪国立大名誉教授は、毎日新聞の取材に語る。

 2019~20年にかけて起きた同国史上最悪の森林火災は、日本の国土の半分近い面積を焼き、コアラなど多くの固有種の生息地を奪った。火災の拡大に、人為的な気候変動が影響したとの見方が強い。

 だがモリソン政権の危機感は乏しい。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、日本を含む120カ国以上が50年までに温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にする目標を掲げる中、豪州は実質ゼロの達成年限を定めていない数少ない先進国となった。30年までの排出削減目標は26~28%減(05年比)で、「排出削減レース」を主導する欧米のみならず、30年度までに46%減(13年度比)の日本と比べても大きく見劣りする。国民1人あたりの現在の温室効果ガス排出量は、主要20カ国・地域(G20)平均の3倍近い最悪の水準だ。

 「環境対策を遅らせている最大の要因は…

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