脱石炭遅れるオーストラリア 背景に政治との蜜月 変化の鍵は日本?
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

脱炭素社会に向けた動きが世界で加速する中、石炭やガスなどを産出、輸出するオーストラリアが大きく後れをとっている。背景には化石燃料業界の巨大な政治的影響力があり、石炭に依存する日本も、間接的にその一端を担っている。【石山絵歩(バンコク)、八田浩輔】
「環境問題のスケールと切迫性において、今の政権は意図的に目をつぶっている」。オーストラリア最大与党・自由党の元党首、ジョン・ヒューソン豪国立大名誉教授は、毎日新聞の取材に語る。
2019~20年にかけて起きた同国史上最悪の森林火災は、日本の国土の半分近い面積を焼き、コアラなど多くの固有種の生息地を奪った。火災の拡大に、人為的な気候変動が影響したとの見方が強い。
だがモリソン政権の危機感は乏しい。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づき、日本を含む120カ国以上が50年までに温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にする目標を掲げる中、豪州は実質ゼロの達成年限を定めていない数少ない先進国となった。30年までの排出削減目標は26~28%減(05年比)で、「排出削減レース」を主導する欧米のみならず、30年度までに46%減(13年度比)の日本と比べても大きく見劣りする。国民1人あたりの現在の温室効果ガス排出量は、主要20カ国・地域(G20)平均の3倍近い最悪の水準だ。
「環境対策を遅らせている最大の要因は…
この記事は有料記事です。
残り2469文字(全文3048文字)
時系列で見る
-
減らそう温室効果ガス=回答・三股智子
549日前 -
経済団体が原発の新増設を注文 エネルギー基本計画の改定案
557日前 -
温暖化で波の高さ強さ増大
561日前 -
温対計画の素案公表 CO2排出量、家庭では13年度比66%減
561日前 -
エンジンふかして脱炭素 水素カーで耐久レース、トヨタの本気度/上
562日前 -
「天から数字降ってきた」 50年までに温室効果ガスゼロに多くの壁
566日前深掘り -
地域の挑戦 稚魚・貝類育む藻場再生へ奮闘
568日前 -
地域の挑戦 稚魚・貝類育む藻場再生へ奮闘 国立環境研究所気候変動適応センター 肱岡靖明・副センター長から
568日前 -
安倍氏肝いりの北極海プロジェクトに異変 揺らぐエネルギー安保
569日前スクープ -
脱石炭遅れるオーストラリア 背景に政治との蜜月 変化の鍵は日本?
569日前 -
日銀の「脱炭素」投融資支援 基準は未整備 踏み込み甘く
571日前 -
日銀、気候変動対策を支援へ 年利0%で資金供給 制度案まとめる
572日前 -
EU、ガソリン車販売35年に禁止、国境炭素税も 日本企業に懸念
572日前 -
EU「国境炭素税」 国際的な議論リード狙う 保護主義の懸念も
573日前 -
EU、「国境炭素税」導入盛り込む 気候変動の新対策を発表
573日前 -
生態系保全に年2000億ドル超 国連事務局が愛知目標後継草案
574日前 -
西日本豪雨級の雨、温暖化で発生頻度3倍に さらに気温上昇では…
578日前 -
英、石炭火力24年9月末で廃止へ 1年前倒しで気候変動対策を加速
588日前 -
脱炭素社会実現へ道筋示したい ゴールドマン環境賞受賞 NGO「気候ネットワーク」平田仁子理事に聞く
589日前