特集

広島・長崎原爆

1945年8月、広島・長崎へ原爆が投下されました。体験者が高齢化するなか、継承が課題になっています。

特集一覧

黒い雨、一刻も早い被害者救済を 国の上告断念求める

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
控訴審判決の報告集会で勝訴を喜ぶ原告たち=広島市中区で2021年7月14日、山田尚弘撮影
控訴審判決の報告集会で勝訴を喜ぶ原告たち=広島市中区で2021年7月14日、山田尚弘撮影

 「黒い雨」を軽視し、切り捨ててきた国に対し、早期の救済を迫る判決だ。広島高裁は14日、国の援護対象区域外にいた広島県内の男女84人が被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の控訴審判決で、84人全員に交付を命じた1審・広島地裁判決を支持し、国側の控訴を棄却した。「黒い雨の真実を歴史に残す」と、40年以上闘ってきた原告らの思いに応えたと言える。国は、これまでの援護行政を省みて上告を断念し、一刻も早く黒い雨の被害者を救済するべきだ。

 判決の開廷は午後3時。1分足らずで終了した言い渡し後、法廷に座る原告の多くは放心していたが、「勝訴ですよ」と声をかけると、「ほんと?全員?」「ああ、良かった」と胸をなで下ろした。「でも」と表情を引き締めたのは、爆心地の北約17キロで雨を浴びた森園カズ子さん(83)。「判決が確定するまで、万歳はせんよ。事実は事実として、認めさせんと」

この記事は有料記事です。

残り1118文字(全文1499文字)

【広島・長崎原爆】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集