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広島・長崎原爆

1945年8月、広島・長崎へ原爆が投下されました。体験者が高齢化するなか、継承が課題になっています。

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黒い雨訴訟 記者の視点 国は上告の断念を 被害者救済、一刻も早く /広島

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広島高裁判決の報告集会で勝訴を喜ぶ原告たち=広島市中区で、山田尚弘撮影
広島高裁判決の報告集会で勝訴を喜ぶ原告たち=広島市中区で、山田尚弘撮影

 「黒い雨」を軽視し、切り捨ててきた国に対し、早期の救済を迫る判決だ。1審に続き、国の援護対象区域外で雨に遭った84人全員を被爆者として認めた14日の広島高裁判決は「黒い雨の真実を歴史に残す」と、40年以上闘ってきた原告らの思いに応えたといえる。国は、これまでの援護行政を省みて上告を断念し、一刻も早く黒い雨の被害者を救済するべきだ。【小山美砂】

 判決の開廷は午後3時。1分足らずで終了した言い渡し後、法廷に座る原告の多くは放心していたが、「勝訴ですよ」と声をかけると、「ほんと? 全員?」「ああ、良かった」と胸をなで下ろした。「でも」と表情を引き締めたのは、爆心地の北約17キロで雨を浴びた森園カズ子さん(83)。「判決が確定するまで、万歳はせんよ。事実は事実として、認めさせんと」

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【広島・長崎原爆】

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