批判くすぶる酒類停止要請 騒動ににじむ菅政権の体質

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酒類販売事業者向けに、休業要請に応じない飲食店との酒類取引停止の依頼を撤回する旨を記した内閣官房のコロナ室と国税庁連名の文書=東京都内で2021年7月16日午後4時7分、塩田彩撮影
酒類販売事業者向けに、休業要請に応じない飲食店との酒類取引停止の依頼を撤回する旨を記した内閣官房のコロナ室と国税庁連名の文書=東京都内で2021年7月16日午後4時7分、塩田彩撮影

 政府が法的根拠もなく民間事業者を使って圧力をかける――。法治国家としておよそ信じられない出来事が起きた。緊急事態宣言下で酒類提供を続ける飲食店への対応を巡る一連の騒動である。すでに撤回された現在でも批判はくすぶり続ける。この騒動ににじむ菅義偉政権の体質を、識者とともに考えた。【塩田彩/デジタル報道センター】

酒類提供する飲食店への対応で

 まずは経緯を振り返りたい。新型コロナウイルス対策を担当する西村康稔経済再生担当相は8日、緊急事態宣言下にもかかわらず酒の提供を停止しない飲食店への対応を強化すると発表し、主に二つの手法を挙げた。一つ目が、金融機関を通じて、融資先の飲食店に法令順守や感染防止対策の徹底を働きかけるというもの。二つ目が、酒類の販売業者に対して、酒の提供停止の要請や命令に応じない飲食店との取引停止を求めるというものだ。

 二つの手法は、西村氏が担当する内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室(コロナ室)が発案したことがわかっている。コロナ室長名のそれぞれの依頼文書が各府省庁に送られ、このうち販売業者に対しては、コロナ室と国税庁酒税課の連名で、実際に文書が出された。

 だが、…

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