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もうバブルは割れていた 五輪関係者と一般客が交わる空港の現実

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空港ではオリンピック選手団の後ろに一般客が並ぶ光景が当たり前になっている=羽田空港で7月14日、菅野蘭撮影
空港ではオリンピック選手団の後ろに一般客が並ぶ光景が当たり前になっている=羽田空港で7月14日、菅野蘭撮影

 東京オリンピックの開幕を23日に控え、世界中から選手やメディアが集まってきた。新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、緊急事態宣言下にある東京に、である。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は「我々はコロナのリスクを絶対に持ち込まない」と言い切った。しかし入国ラッシュの空港を目の当たりにすると、その自信の根拠は極めて薄いように思えてならない。【國枝すみれ、菅野蘭/デジタル報道センター】

一般客を隔てるのは黒ベルトだけ

 緊急事態宣言が発令される前日の7月11日、記者(國枝)は羽田空港第3ターミナルを訪れた。国際線の到着ロビーは、選手団やスタッフの到着を待っているボランティアや案内係が30人ほどいるだけで閑散としていた。

 入国する選手や五輪関係者は、外部の人と接触しない「バブル方式」を守ることになっている。来日しても我々が暮らす空間とは切り離された中で生活するらしいが、英語で「バブル」といえば、シャボン玉のような泡。何だかパチンとはかなく割れそうな気がしてくる。

 オリンピック関係者や海外メディアのために用意されたエリアはあったが、アクリル板のような仕切りはない。イベント会場などで行列を整理するためによく使われる黒ベルトで仕切られている。つまり、彼らと我々を隔てるのは「TOKYO2020」と印刷された幅数センチの黒いベルトだけということになる。

 しかも密だ。ドイツの大会関係者が誘導を待っていたが、仕切り内は狭く、互いに接近している。1メートルと離れていない。「中に入っちゃ駄目って、昨日も言ったでしょう」。誘導係の女性が若い男性に注意している。混乱しているようだ。

 「英国イングランド」とロゴが入ったカバンを背負った女性2人が、目の前を歩いていった。トイレか、それともコーヒーを買いに行くのか。携帯電話を充電する場所だって、すべてバブルの外にある。

「五輪株が生まれませんように」

 ロビーの椅子の一部が黒ベルトで区切られ、五輪関係者に提供されていた。「こんにちは」。そこにいた男性に英語で話しかけると、日本語で返事があった。スペイン選手団の一員として来日したエンジニア(34)。東京五輪に参加するため、日本語を3年間も勉強してきたという。

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