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松原隆一郎・評 『新型コロナ「正しく恐れる」Ⅱ 問題の本質は何か』=西村秀一・著、井上亮・編

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『新型コロナ「正しく恐れる」Ⅱ 問題の本質は何か』
『新型コロナ「正しく恐れる」Ⅱ 問題の本質は何か』

 (藤原書店・1980円)

確認された間違いを捨てる

 評者は新型コロナの専門知識を持たないが、それでも昨年来の政府発表やマスコミ報道には多く不満だ。

 昨春、パチンコ店の営業がクラスターを生むとの判断から、複数の自治体が休業要請に応じない店名を公表した。データの蓄積がない当時なら、人が群れ媒介するモノに接触しただけで感染するとみなした行政にも言い分はある。しかし口からの飛沫(ひまつ)と浮遊する粒子による空気感染が伝染の大半と分かってからは、距離を取り黙って遊ぶパチンコは、マスク着用の義務づけと換気に努める店に限っては名誉回復すべきだった。その一方で、フェイスシールドを着け息の粒子を放出しているタレントが、いまなおテレビに登場している。

 正体不明の現象につき犠牲を払いながらもデータが取得されていく過程で、確認された間違いを着実に捨て「より正しい」説を共有しない社会は、あるべき状態へとソフトランディングできない。そう危惧していた昨年10月、前作が出版された。半年余を経て出版された続編と併せ、励まされた。

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