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中村桂子・評 『高地文明 「もう一つの四大文明」の発見』=山本紀夫・著

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『高地文明 「もう一つの四大文明」の発見』
『高地文明 「もう一つの四大文明」の発見』

 (中公新書・1155円)

新鮮な視座 繁栄支えた多様性探る

 「地球上でいち早く野蛮・未開の状態を脱して文明の域に進み、国家生活を営むようになったのはエジプトのナイル河流域、メソポタミアのティグリス・ユウフラテス両河地方、インドのインダス河流域、中国の黄河流域のように、生産の発展に恵まれた肥よくな大河の地方の社会であった」

 高校教科書でなじみの文だが、初出は1951年なのだそうだ。70年前に登場し、その後さまざまな分野の研究者から問題点を指摘されながら、今も教科書に掲載されている「四大文明説」に対し、文明はそれだけだろうかという疑問から本書は始まる。そして、中米(メキシコ)、アンデス、チベット、エチオピアの「高地文明」を「もう一つの四大文明」と位置づけるのである。ここには大河はない。受験勉強以来「四大文明」が頭の奥…

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