医療的ケア児、通常学級進学に壁 「社会の一員」断たれる関わり

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人工呼吸器と胃ろうをつけてバギーで登校した後、母綾乃さんと公園で過ごす佐野涼将さん(右)=相模原市中央区で2021年7月12日、前田梨里子撮影
人工呼吸器と胃ろうをつけてバギーで登校した後、母綾乃さんと公園で過ごす佐野涼将さん(右)=相模原市中央区で2021年7月12日、前田梨里子撮影

 人工呼吸器やたん吸引などの医療行為を必要とする「医療的ケア児」を地元の公立小中学校で受け入れているか全国の県庁所在市と政令市、東京23区に毎日新聞が調査したところ、回答したうち受け入れ人数が10人に達しない自治体が8割に上ることが判明した。2割以上が0人だった。医療的ケア児は全国に2万人と推計されているが、障害児とともに学ぶ「インクルーシブ教育」は義務教育段階では地域で大きな差があることが浮き彫りになった。

 「インクルーシブ教育」を国が掲げる一方、「医療的ケア児」の受け入れは進んでいない。相模原市中央区に住む佐野涼将(すずまさ)さん(8)は出産時のトラブルで脳に障害が残る。両親は神奈川県立特別支援学校から市立小への転校を求めているが、市教委からは認められていない。

 涼将さんは、人工呼吸器とチューブで胃に栄養を送る「胃ろう」をつけ、言葉を発することは難しい重度障害児。小学校入学年齢になった2019年4月、両親は市立小への就学を市教委に要望した。市立小で人工呼吸器をつけた児童の受け入れは前例がなかったが、協議の結果、特別支援学校に在籍しながら、2年次の転校を目標に、母の綾乃さん(42)と週2~4日、市立小に通うことになった。

 綾乃さんは「最初は小学校に行くのは抵抗が…

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