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「シャンパンの栓は開いたばかりですよ。噴き出し、はじける泡は、口あたりの良いものばかりではないでしょう」。1989年11月、「ベルリンの壁」が崩壊し、祝意を伝えようと、前年に訪れた東ベルリンの友人に国際電話をかけた際の反応だ。喜び半分。30年以上を経た今も解消されてはいない旧東西ドイツの格差是正の難しさを暗示するような言葉だった。
2011年7月9日にスーダンから分離独立した南スーダンが10年を迎えた。「世界で一番若い国」の誕生に立ち会った日のこと。歓喜に沸く首都ジュバの一角で、若者から同じような冷静な声を聞いた。「内戦の傷痕は癒えていません。60ほどの民族はそれぞれ思惑や誇りもあります。どれだけ共通の目標や利益を見いだせるのかが鍵ですが、心配も尽きません」
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