ヘイト解消法で「裏切り者」に 自民・西田氏「つゆほども後悔なし」
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2016年に施行されたヘイトスピーチ解消法は、日本で初めて人種・民族差別に正面から向き合った法律だ。国外出身者とその子孫の排除を扇動する不当な差別的言動を「許されない」とし、国や自治体に対策の実施を求めている。一方、罰則や禁止規定がない理念法にとどまり、抑止効果が不十分との指摘もある。解消法の付則には被害実態を勘案し、必要に応じてさらなる取り組みを検討するとも記されている。成立に関わった自民党の西田昌司参院議員に、ヘイトを巡る現状認識や法の効果などを聞いた。【金志尚/デジタル報道センター】
※記事では差別表現も取り上げています。閲覧にご注意ください。
実質的な抑止になった
――法の施行から5年がたちました。この間の社会の変化をどう見ますか。
◆5年前はヘイトスピーチをやる団体が、特に首都圏や関西圏で盛んに活動していました。在日韓国・朝鮮人の方々に対する著しい不合理な状況があったわけです。私も在日の集住地域がある川崎市に視察に行ったり、被害を受けた方から直接話を聞いたりしました。「これは何とかしないといけない」ということで作られたのが、解消法です。条文に具体的な対策が書かれているわけではありませんが、国会審議の中で「自治体が会館などの使用許可を出すときに、ヘイト目的かどうかも考えるべきだ」という趣旨のことを私が言いました。この手の法律は条文だけでなく、審議を通じてどういうことが期待され、何がいけないのかを細かく議論し、議事録に残すことが大事です。実際、今は街頭でのヘイト行為はほとんど見かけなくなったと思います。条文にはなくても、法の精神に基づく対策が取られ、実質的な抑止効果が生まれたからでしょう。
解消法には罰則などがありませんから、制定過程では「本当に効果があるのか」という声もありました。でも「ヘイトは恥ずべき行為だからやめるべきだ」ということを明確に打ち出し、実際そういう世論が醸成されていったと認識しています。
ヘイト行為の禁止は私権制限に
――表現の自由との兼ね合いから、法制定時に、自民党内にはヘイトを規制することに慎重論がありました。また当時はタカ派のイデオロギー色が強い安倍晋三政権でした。こう言っては何ですが、安倍政権は排外的な主張をする人たちからも「支持」されていたと思います。その辺りはどのように考えていましたか。
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