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沖縄「復帰50年」の群像

沖縄が日本本土に復帰して2022年5月で50年。本土とは異なった戦後史を刻んでいる沖縄の「いま」を考えます。

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沖縄「復帰50年」の群像

本土の知らんぷりに突っ込み 「お笑い米軍基地」まーちゃんの挑戦

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「サヨクでもウヨクでもなく、ナカヨクですよ」。まーちゃんの笑いは幅広い層に支えられている=那覇市内で2021年6月16日、嬉野京子さん撮影
「サヨクでもウヨクでもなく、ナカヨクですよ」。まーちゃんの笑いは幅広い層に支えられている=那覇市内で2021年6月16日、嬉野京子さん撮影

 沖縄が日本本土に復帰して2022年5月で50年になる。沖縄戦のあと27年間続いた本土からの分離・米軍統治の体験者、復帰以後に生まれた次世代。本土や米国、そして自らの沖縄そのものにどんなまなざしを向けているのか。本土とは異なった戦後史を刻んでいる沖縄の「いま」を考え歩き、人々の姿と胸の内を描く。【客員編集委員(沖縄在住)藤原健】(この連載は毎日新聞ニュースサイトで随時掲載します)

米軍ヘリ墜落の衝撃

 沖縄に対するイメージが「癒やしの島」や「手軽なリゾート地」にとどまっている人には、その想像の限界を超える、十分に刺激的なネーミングではないか。

 沖縄に、「自由」で「楽しい」会社の意味を込めたFEC(フリー・エンジョイ・カンパニー)の芸人さんたちがいる。そのメンバーで、米軍基地をめぐる人間模様を笑う舞台「お笑い米軍基地」を立ち上げ、脚本から演出までのすべてを手がけるのが、まーちゃん(小波津正光さん)である。復帰の2年後に那覇市で生まれた46歳。

 04年のことだ。その日、8月13日はまーちゃんのちょうど30歳の誕生日だった。東京に移り住み、芸人の道を探しあぐねて悶々(もんもん)としていたある日の午後。沖縄の友人から下宿に電話があった。「米軍のヘリが大学に墜落して、沖縄は大変」

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