米軍、猫、観光客…世界自然遺産に登録濃厚な「奄美・沖縄」の課題

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奄美大島の湯湾岳周辺に広がる原生林=鹿児島県宇検村で2008年4月、野田武撮影
奄美大島の湯湾岳周辺に広がる原生林=鹿児島県宇検村で2008年4月、野田武撮影

 政府が世界自然遺産に推薦している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」(鹿児島、沖縄両県)が25日にも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会で審査され、登録される見通しだ。ユネスコの諮問機関が2018年、推薦地の選定や希少動植物の保護に問題があるとして登録延期を勧告して3年。国や地元の再挑戦が実ろうとしているが、課題はなお残っている。

「重大な懸念」は解消されたか

 うっそうと生い茂る亜熱帯林で国の特別天然記念物・ノグチゲラの甲高い鳴き声が響く。沖縄島北部の「やんばるの森」(沖縄県国頭(くにがみ)村など)は世界でも少ない亜熱帯照葉樹林で知られ、固有の動植物が残る「奇跡の森」と呼ばれる。2017年2月の最初の推薦と19年2月の再推薦で最も大きな違いが、やんばるの森の推薦地の広さだった。

 政府は17年2月に推薦書を提出。登録の可否を事前審査するユネスコの諮問機関、国際自然保護連合(IUCN)が18年に登録延期を勧告した際、課題とされたのが「推薦地の分断」だった。当時の推薦地が奄美大島と徳之島、沖縄島北部、西表島の4島で計24カ所に点在していたため、島々の生き物が固有の進化を遂げたことを評価する「生態系」の項目で「重大な懸念がある」とした。

 特に、やんばるの森に含まれる米軍北部訓練場(NTA)の返還地が推薦地に入っていないことを厳しく指摘された。森にはヤンバルクイナやノグチゲラといった固有種が生息。…

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