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努力は必ず
報われるんだなと思った

できるよ璃花子!
水の申し子の強い意志

競泳
池江璃花子
 白血病で長期療養していた競泳女子の池江璃花子(21)=ルネサンス=が400メートルのリレーとメドレーリレーで東京オリンピック代表をつかみ取った。約10カ月の入院生活を経て昨年8月に実戦復帰。支えとなったのは、自らの「強い心」だった。軌跡を池江選手の言葉で振り返る。
2019.1.13
五輪
まで
558
突然の不調

体が重く自分でもびっくりするぐらい遅かったです。(疲れが)長引いているのが心配です

 日本選手史上最多のアジア大会6冠、世界ランキング1位など飛躍の18年シーズンを過ごした。東京都内で開かれた19年の初レース。女子100メートルバタフライは1分0秒41と、自らの日本記録に4秒33遅れた。18年末の高地合宿から、まだ体が疲れていることへ不安を漏らした。

2019.2.12
五輪
まで
528
白血病を告白

私自身、未(いま)だに信じられず、混乱している状況です

 オーストラリア合宿中に体調がすぐれず、予定より2日早く帰国。自身のツイッターで白血病の診断を受けたことを公表した。「治療に専念し、1日でも早く、また、さらに強くなった池江璃花子の姿を見せられるよう頑張っていきたいと思います」

2019.3.6
五輪
まで
507
公表後、初の投稿

思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどいです。でも負けたくない

 3週間ぶりにツイッターを更新。「三日間以上ご飯も食べれてない日が続いて」いることも吐露した。その間、日本骨髄バンク(東京)のドナー登録手続きへの問い合わせが相次ぎ、白血病患者へ支援の輪が広がった。

2019.3.13
五輪
まで
499
五輪まで499日

まだまだ諦めないぞー!!

 東京五輪開幕まで500日を切り、16年リオデジャネイロ五輪で競泳日本代表の仲間と撮影した写真をインスタグラムに投稿した。

2019.5.8
五輪
まで
443
折れそうな気持ち

正直、心が折れそうな時もあります。ですが、たくさんの言葉にはげまされ、負けたくないという気持ちがこみ上がってきます

 自身の公式ホームページ(HP)が開設され、直筆メッセージを掲載。治療が順調であることを報告した。「泳いでた時は出来なかったことを楽しむ、という生活を送っています」と明かした。

2019.6.5
五輪
まで
415
闘病中の写真をアップ

もう病院には戻りたくない!と思う時もありますが、人生の中のたった数ケ月間だと思って自分を奮い立たせてます

 一時退院したことを公式HPで報告。自らの写真を闘病後、初めて掲載した。

2019.12.17
五輪
まで
220
東京五輪を断念

2024年のパリ五輪出場、メダル獲得という目標で頑張っていきたい

 退院を報告。急性リンパ性白血病と診断された後の詳しい治療経過も明らかにした。「抗がん剤治療で吐き気が強い時や倦怠(けんたい)感もありましたが、『大丈夫、大丈夫、いつか終わる』と自分を励まし続けました」。そして、20年夏に予定されていた東京五輪出場を断念するとした。

2020.2.19
五輪
まで
156
白血病公表から1年

ここにいることが奇跡。生きていることが奇跡です

 病名公表後、初めてメディア(テレビ朝日「報道ステーション」)のインタビューに応じ、思いを語った。

2020.3.17
五輪
まで
129
406日ぶりのプール

言葉に表せないくらい嬉(うれ)しくて、気持ちが良くて、幸せです

 満面の笑みでピースサイン姿。白血病の診断後、初めてプールに入った自身の写真を公表し、インスタグラムで報告した。

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2020.5.18
五輪
まで
431
ありのままで

今のこの髪の毛、自分自身に誇りを持っています

 「ありのまま」という気持ちからウイッグ(かつら)を外した姿を公開。「このメッセージがひとりでも多くの方の希望になればうれしいです」。白いシャツに短髪姿で、柔和な表情を見せた。

2020.7.2
五輪
まで
386
希望を与えたい

もしかしたらもう元には戻れないという気持ちもあります。でも、そういう病気になったけどここまで戻ってこれるんだよという希望を、たくさんの人に与えたいと思って(SNSで)発信してきました

 病名公表後初となる練習を報道陣に公開。全盛期と比べると衰えを隠せないコンディションや筋力について不安をのぞかせながらも、大好きな水の中で泳ぐ喜びを感じた。

2020.7.23
五輪
まで
365
五輪セレモニーで涙

希望が遠くに輝いているからこそ、どんなにつらくても前を向いて頑張れる。私の場合、もう一度プールに戻りたい。その一心でつらい治療を乗り越えることができました

 延期となった東京五輪の1年前セレモニーで、国立競技場のピッチに、聖火がともるランタンを抱えながら登場した。「世界中のアスリートと、アスリートから勇気をもらっているすべての人のために。1年後の今日、この場所で希望の炎が輝いていてほしい」。アスリートを代表し、世界にメッセージを届けた。大役を果たし終えると、感極まって目元を拭った。

2020.8.29
五輪
まで
328
1年7カ月ぶりのレース

第二の自分の水泳人生の始まりかな。1年半の悔しさをぶつける機会になると思っていました

 ヒロインがプールに戻ってきた。東京都特別水泳大会(東京辰巳国際水泳場)の女子50メートル自由形に出場。病名公表後初のレースで、19年1月以来1年7カ月ぶりだった。26秒32で5位。同種目の日本学生選手権(インカレ)参加標準記録(26秒86)を突破する泳ぎを見せ、レース後に涙を見せた。「この場所で泳げたことに、自分のことだけど感動しました」

2020.10.1
五輪
まで
295
かみしめる楽しさ

(8月の復帰戦の)試合前は、自分が細い体で、前と違う自分を見せるのが恥ずかしいのもありましたが、今回は楽しみの方が強くて(闘病後の)第二の人生として自己ベストを出して満足感はあります

 復帰第2戦は、目標にしてきたインカレの50メートル自由形。闘病中だった前年大会は一時退院し、3日連続で会場に駆けつけて声援を送った。予選を25秒87で突破し、決勝は25秒62で4位だった。「4番という結果はすごく悔しいですが、今の段階では上出来すぎるかなと思う。思ったより速いタイムで驚きました」

2021.1.23
五輪
まで
181
「東京」への思い再燃

だいぶ悔しかったです。レースの泳ぎ方がまだ思い出せていない

(東京五輪へ)きょうのレースを泳いでみて、チャンスあるかな?という疑問が生まれてしまった。勝負の世界って甘くないというのを痛感した

 東京辰巳国際水泳場で行われた北島康介杯で、個人種目では初となる100メートル自由形に出場した。55秒35で4位。レース直後は「あー、悔しい」と素直な言葉も飛び出した。このレースで日本選手権の参加標準記録を突破した。パリ五輪出場の目標を公言している池江に対し、東京五輪への質問も増え始めた。

2021.2.7
五輪
まで
166
病気公表2年、
トップ争いに復帰

自分の成長を感じられました。みんなから離されないことを意識すれば、後半の伸びは周りとひけをとらないと思う

 日本選手権に次ぐ規模のジャパンオープン。50メートル自由形で学生新記録の24秒91で2位となり、実戦復帰から4戦目で初の表彰台に立った。白血病の診断を受けてから8日でちょうど2年。トップ争いに加わるまでに復調してきたことを示した。「(闘病生活で)15キロ落ちたが、5キロちょっとは戻ってきた」とも明かした。

2021.2.21
五輪
まで
152
復帰後初の優勝

今年中には50メートルの種目で(日本)王座奪還します

 復帰後初の優勝は得意種目だった。東京都オープンの50メートルバタフライに出場した池江は、25秒77で優勝を果たした。「25秒台が出るとは思わず、びっくり。うれしかった。85点ぐらいはあげてもいいかな」。日本選手権前最後の大会で弾みをつけた。

2021.2.26
五輪
まで
147
「今」を大切にしたい

(東京五輪について)質問をたくさんされるが、どう答えていいか正直、分からない

昔の自分は求めていない。今、いろいろな選手と競って泳いで、勝ちたいと思える。負ければめちゃめちゃ悔しい。それはそれで楽しいなと思います

 報道陣に練習を公開。東京五輪についての質問も日を追うごとに増え、率直な思いを語った。「(東京五輪について)もしかしたら行っちゃうかもしれないけど、自分の体的に、とりあえずパリかな」。数々の栄光をつかんだ昔の自分を追い求めていることはないのかという質問には「今は今」と話した。

2021.4.4
五輪
まで
110
つかんだ「東京」切符

自分が勝てるのは、ずっと先のことだと思っていた

自分がすごくつらくてしんどくても、努力は必ず報われるんだなと思った

 東京五輪の代表選考を兼ねた競泳の日本選手権、女子100メートルバタフライ決勝で57秒77で3年ぶりの優勝。400メートルメドレーリレーの派遣標準記録(57秒92)も突破し、リレーメンバーとしての東京五輪出場が決まった。50メートルの自由形を制すなど大会4冠を達成。「日本で負けるのは今年で最後と決めていたけれど、思っていた以上に成績も良かった」。五輪に向け「代表に決まったからには、しっかり自分の使命を果たさないといけない」と意気込む。

プロフィル

池江 璃花子

 2000年生まれ。171センチ。水中出産で誕生した「水の申し子」。3歳から水泳を始め、小学6年で全国大会で初優勝した。中学3年で日本代表入りし、これまで自由形とバタフライで日本記録を何度も更新。2016年リオ五輪では日本選手最多となる7種目に出場し、女子100メートルバタフライで5位入賞。2018年のアジア大会では6冠に輝き、最優秀選手(MVP)に選ばれた。翌2019年、白血病を公表した。恵まれた体から繰り出されるしなやかなストロークが泳ぎの持ち味。

※写真は、梅村直承、喜屋武真之介、滝川大貴、玉城達郎、宮間俊樹など撮影。ほか、池江選手の公式ホームページ、ツイッター、インスタグラムから

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