再生エネルギー拡大 初めて「最優先」に 経産省が基本計画改定案

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経済産業省本館=東京都千代田区霞が関1で2019年2月2日、本橋和夫撮影 拡大
経済産業省本館=東京都千代田区霞が関1で2019年2月2日、本橋和夫撮影

 経済産業省は21日、国のエネルギー政策の中長期方針を示す「エネルギー基本計画」の改定案を総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)に示した。2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府目標の達成に向け、再生可能エネルギーの拡大について、初めて「最優先」で取り組むと打ち出した。

 総発電量に占める各電源の割合を示す「電源構成」の30年度見通しも示し、現行計画では22~24%の再エネは36~38%に大きく引き上げた。原発の新増設に関する記載は見送ったが、30年度の原発の比率は現行の20~22%を維持しており、再エネと原子力を合計した非化石燃料の比率を現行の4割強から6割に積み増した。

 03年に初めて策定されたエネルギー基本計画は3年に1回程度の頻度で見直されており、今回の改定は18年以来。世界的に気候変動への危機感が強まり、政府は50年の温室効果ガス実質ゼロ目標や、その実現に向けて30年度までに13年度比で46%削減する目標をこの1年の間に定めた。その達成への道筋をエネルギー分野で描けるかが今回の最大のテーマとなった。

 改定案では、太陽光や洋上風力などの再エネは「主力電源化を徹底」すると記した。市町村が積極的に発電施設を誘致する促進区域を定めて拡大を図る一方、地元と事業者のトラブル回避のために安全対策や事業の情報公開を進める考えを示した。

 発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない原発については、与党の一部で東京電力福島第1原発事故後の方針を転換し、国による新増設の後押しを求める声が高まっていた。だが改定案では、東電柏崎刈羽原発の不正入室問題などを踏まえて、原発は「社会的な信頼は十分に獲得されていない」と明記。新増設は見送られたが、「必要な規模を持続的に活用する」と記載された。

 火力でも気候変動対策を重視。発電時にCO2を出さない次世代燃料として期待される水素・アンモニアについて、電源構成に1%を新たに計上した。

 ただ、19年度の実績では再エネは18%、原発に至っては6%に過ぎず、改定案を実現するには10年程度で割合を大幅に高める必要がある。そのため経産省は今回の電源構成について、不確実性を含んだ「野心的な見通し」と位置付けた。国際公約でもある脱炭素目標の達成に向け、新たなエネルギー基本計画の実効性が今後も問われる。【岡大介】

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