政権運営は難航?ペルー次期大統領のカスティジョ氏 手腕未知数

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ペルー大統領選の勝利が確定し、支持者に手を振るペドロ・カスティジョ氏=首都リマで2021年7月19日、AP 拡大
ペルー大統領選の勝利が確定し、支持者に手を振るペドロ・カスティジョ氏=首都リマで2021年7月19日、AP

 6月に実施された南米ペルー大統領選の決選投票で、全国選挙審議会は急進左派の小学校教師、ペドロ・カスティジョ氏(51)が初当選したと発表した。日系2世のアルベルト・フジモリ元大統領(82)の長女で中道右派の野党党首、ケイコ・フジモリ氏(46)を僅差で破った。カスティジョ氏は、当選の確定を受けた演説で、ケイコ氏に「和解しよう」と呼びかけ、選挙戦で国民の間に深まった分断の解消を訴えた。

 北部カハマルカの農村で小作農の両親のもとに生まれ、子供の頃から畑仕事を手伝った。高校時代、生活費を稼ぐため農業の出稼ぎに行き、2年遅れで卒業。大学で教育学を学び、24年間にわたり地元で小学校教師を務めた。2017年に労働組合の指導者として教員の待遇改善を求める全国的なデモを率いたが、知名度は低いままだった。

 ペルーは世界有数の資源国だが低所得者があふれ、特に発展が遅れた地方では「都市部の富裕層に富が集中している」と不満がくすぶる。泡沫(ほうまつ)候補扱いされながら大統領選に出馬したのは、こうした実情に憤慨したからだ。掲げたのは、地方と都市、貧困層と富裕層の格差是正。「地方と貧困層の代弁者」として人気を集め、前評判を覆して当選を勝ち取った。汚職が横行する政界に憤る市民からは大胆な変革への期待が寄せられる。

 ただ政治家としての手腕は未知数だ。国会での支持基盤は弱く、政権運営は難航が予想される。ポピュリスト(大衆迎合主義者)的な手法への懸念も指摘されている。選挙戦では一時、資源産業の国営化を訴えており、国家による管理強化を警戒する経済界と折り合いをつけられるかも課題だ。

 高校時代の同級生で教員の妻リリアさんとの間に3人の子を授かった。飾らない性格で、選挙戦中もカハマルカの自宅で早起きし、幼少期からの日課である家畜の世話を続けた。先住民ケチュア族の言葉も話す。【サンパウロ山本太一】

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