過労自殺巡る肥後銀行役員への株主代表訴訟 原告敗訴 熊本地裁

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熊本地裁=栗栖由喜撮影 拡大
熊本地裁=栗栖由喜撮影

 肥後銀行(本店・熊本市)に勤務し2012年に過労自殺した男性(当時40歳)の妻(51)が当時の取締役11人を相手に、労働時間を適正に管理する体制の構築を怠ったとして計約2億6000万円を同行に損害賠償するよう求めた株主代表訴訟の判決で、熊本地裁は21日、請求を棄却した。中辻雄一朗裁判長は「銀行が構築・運用していた労働時間管理体制は合理的だった」と判断した。原告側は控訴する方針。

 男性は本店業務統括部で働いていた12年10月に命を絶った。亡くなる直前1カ月の時間外労働は209時間に達していた。

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 中辻裁判長は、同行の当時の労働時間管理体制について「実質的な自己申告制だったことを踏まえても国の基準に違反するとまでは言えず、適正な運用を担保するために複合的・重層的な施策が採られていた」と指摘。当時の取締役について「労務管理に関する内部統制システムを構築・運用する義務に違反したとは言えない」と述べた。

 判決を受け、妻は「労働時間管理体制が適切だったと述べているが、では、夫はどうすれば長時間労働をしなくて済んだのか。疑問が残る」と語った。肥後銀行広報室は取材に「コメントしかねる」と答えた。

 男性の死亡を巡っては、熊本労働基準監督署が13年3月、極度の時間外労働で重度のうつ病を発症していたとして労災と認定。熊本地裁も14年10月、自殺と長時間労働との因果関係を認め、同行が遺族に約1億3000万円の賠償金を支払うよう命じていた。【栗栖由喜】

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