「復興で東北をだしに」 吉見俊哉氏、五輪は「時代の流れに逆行」

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インタビューに答える吉見俊哉・東京大大学院教授=東京都千代田区で2021年7月15日、内藤絵美撮影
インタビューに答える吉見俊哉・東京大大学院教授=東京都千代田区で2021年7月15日、内藤絵美撮影

 東京オリンピックの競技が21日、東日本大震災の被災地である福島県と宮城県などで始まった。東京都や政府は大会招致時に「復興五輪」を旗印にしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、被災地の恩恵は乏しくなっている。「五輪と戦後 上演としての東京オリンピック」(河出書房新社)などの著書がある吉見俊哉・東京大大学院教授(都市論)に「復興五輪」について聞いた。

   ◇

 東京五輪の思い出話にも、震災復興のために東京で五輪を開くとの主張にもまやかしがある。

 東北は、震災前から東京一極集中で過疎になり経済的にも従属的立場に置かれている。福島県には巨大都市・東京の電力を賄うために原発が造られ、放射能汚染までもたらされた。五輪開催で東京のインフラを更に立派にすれば、東北はますます厳しい状況に追い込まれる。東北復興のための五輪であるなら東北をメイン会場にすべきで、東京は最もやってはいけない場所だった。

 ただ、海外では東京と東北のねじれた関係は知られておらず、震災の惨状を見れば「五輪で日本を救おう」という声は出てくる。だから国際ウケする「復興五輪」のスローガンが使われ、招致活動では有効に機能し…

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