教科担任制、先行現場では人繰り腐心「誰でもいいわけではない」

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学校(写真はイメージ)=ゲッティ 拡大
学校(写真はイメージ)=ゲッティ

 小学5、6年生で導入する教科担任制について、文部科学省の有識者会議は21日、対象教科を外国語(英語)、理科、算数、体育の4教科とし、教員定数を増やすことで必要な人員配置を進めるよう求める報告書案を大筋で了承した。

 小学校で教科担任制を先行導入している自治体は教員の人繰りに腐心している。

 茨城県は2021年度から全ての公立小学校と義務教育学校(計470校)の5、6年生で、専科教員による教科担任制を導入した。主に理科、英語、算数だが、限定はしていない。国の追加配置(加配)の活用や定年退職した教員の再任用のほか、各市町村が独自に採用するなどして約300人の専科教員を確保した。配置できなかった学校は近隣の拠点校から派遣するなどしてカバーする。県教育委員会担当者は「教員の負担軽減のためにも1校1人は配置したいが、教育の面を考えると専科教員は誰でもいいわけではない。より効果的な制度にするため採用・育成の両面を進める必要がある」と話す。

 文部科学省は22年度からの教科担任制の本格導入に向け、加配を拡大する方針だが、「財務省との折衝次第」(文科省担当者)で先行きは不透明だ。多くの専科教員を確保することが難しい中、大分県や兵庫県のように同じ学校の教員同士が得意な科目を交換する形で教科担任制を導入しているケースもある。大分県は19年度から一部の学校でこうした制度を取り入れているが、学校の態勢によっては必ずしも得意な科目が担えるとは限らない。それでも県教委担当者は「得意教科でなくても改善を続けることで自信が付き、その教員の専門性の高まりにつながると考えている」と話す。

 教員養成課程がある大学も対応に乗り出している。熊本大は22年2月に実施する教育学部の学校推薦型選抜で「理数枠」(10人)を新設する。田口浩継・副学部長は「理数系教科に関心がある入学者は減っている。なり手が不足したままでは教科担任制の効果が出ない恐れがある。専門性だけでなく、算数や理科の面白さを伝えられる教員を育てたい」と狙いを語る。【千脇康平、田中理知】

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