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五輪無観客開催、札幌ドーム周辺は閑散 観戦自粛に落胆の声も

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無観客開催で試合当日でも関係者の往来以外はなく、閑散とする札幌ドーム周辺=札幌市豊平区で2021年7月21日午後0時16分、貝塚太一撮影 拡大
無観客開催で試合当日でも関係者の往来以外はなく、閑散とする札幌ドーム周辺=札幌市豊平区で2021年7月21日午後0時16分、貝塚太一撮影

 23日の東京オリンピック開幕に先立ち、サッカー女子の試合が21日、札幌ドームで始まった。新型コロナウイルス感染再拡大を受け、試合は無観客開催となり、会場周辺は閑散としていた。8月に札幌市で行われるマラソン・競歩は沿道での観戦自粛が要請されており、「五輪需要」に期待していた業界からは落胆の声も上がる。

 札幌ドーム周辺や最寄りの市営地下鉄福住駅には警備に当たる警察官や青いユニホーム姿のボランティアの姿があったが、人影はまばら。競技会場で運営などに携わる「大会ボランティア」の対馬伴幸さん(73)=北海道江別市=もこの日、札幌ドームに向かった。

 1964年東京五輪で聖火ランナーを務めた対馬さんは今回のボランティア参加を楽しみにしており、「(開催延期で)1年間待った五輪なので、大会が成功するようボランティアとして活動し、今回の経験を他のスポーツ大会のボランティア活動に生かしたい」と話した。ただ、無観客開催で大会ボランティアの活動内容は不透明なまま。会場周辺の交通や観光案内を予定していた「都市ボランティア」は、活動中止や縮小が決まっている。

 無観客開催や沿道での観戦自粛要請で打撃を受けているのは宿泊・旅行業界だ。「五輪が起爆剤になると思っていたのに」。北海道民泊観光協会の荒川誠一・代表理事は宿泊客が集まらない状況を嘆く。

 マラソン・競歩の札幌開催が決まった2年前は「さっぽろ雪まつり並みの客が来る」と期待していた。だが、インバウンド(訪日外国人客)頼みだった業界にとってコロナ禍の影響は大きかった。2500室近くあった札幌市内の民泊は廃業が相次ぎ、今は「開店休業状態」を含め約1500室に減ったという。荒川さんは「今の時期は本来なら繁忙期。いつまで低空飛行が続くのか。心が折れてしまう」と肩を落とす。

 マラソンが発着する大通公園に面した同市中央区のホテルでは観戦自粛が要請されて以降、「マラソンが見える部屋があるか」と問い合わせが相次いだ。競技を眺望できる約20室は予約で埋まったが、それでも総客室の1割に満たない。担当者は「五輪の有無にかかわらず低迷している」と話す。

 一方、五輪中止を求める声も少なくない。同市のタクシー会社「さくら交通」の労働組合はコロナ禍での五輪開催に反対し、市内での競技中止を求める要請文と署名147筆を13日付で市に提出した。執行委員長の河野晃興さん(59)は「五輪の開催によって感染が拡大したら、今後の生活がさらに圧迫される。今からでも中止してほしい」と訴える。

 河野さんは「首都圏から観光客が増えてきた後に札幌でいつも感染が拡大した。五輪の開催でまた同じことを繰り返そうとしている」と話す。同社は五輪に合わせてタクシー6台を確保するなど一定程度の需要を見込んでいるというが、河野さんは「もうけが出たとしても一時的なもの。医療への支援を優先してほしい」と語る。【三沢邦彦、岸川弘明、土谷純一】

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