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心優しき最年長エース 悲願の五輪で活躍誓う なでしこFW菅沢

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4月の国際親善試合パナマ戦でゴール前のボールに飛びつく菅沢優衣香選手(右)。この試合でハットトリックを記録した=東京・国立競技場で2021年4月11日、宮武祐希撮影 拡大
4月の国際親善試合パナマ戦でゴール前のボールに飛びつく菅沢優衣香選手(右)。この試合でハットトリックを記録した=東京・国立競技場で2021年4月11日、宮武祐希撮影

 21日のカナダ戦(午後7時半、札幌ドーム)で東京オリンピック初戦を迎えるサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」。チーム最年長30歳のエースFWが「三度目の正直」で悲願の初五輪に挑もうとしている。菅沢優衣香選手(三菱重工浦和)。今でも働きながらプレーを続ける心優しきストライカーには五輪で見せたい姿がある。

 千葉市の小学生時代から地元で「天才少女」として知られた。高校生から1期生としてJFA(日本サッカー協会)アカデミー福島に進んでサッカーで生きる道を選び、2010年に19歳で代表戦初出場を果たした。

 世代的にも能力的にも、「なでしこ」が銀メダルを獲得した12年ロンドン五輪に出ていてもおかしくなかった。その年の3月、代表初ゴールを決めたアルガルベ杯デンマーク戦の試合後に「ちょっとは五輪に近づけたかな」と笑顔で手応えを口にした様子を記者は覚えている。だが、膝の大けがに泣き、本大会は日本でリハビリをしながら仲間の活躍を見守った。

 16年リオデジャネイロ五輪もアジア最終予選直前に太ももの故障で離脱し、チームも出場権を逃した。「大きな大会に出るチャンスのタイミングでけがをしてしまった。2大会連続で悔しい思いをしてきたので、今回つかめた最高の舞台に思い切りぶつけたい」。今大会に懸ける思いには並々ならぬものがある。

勤務しながらプレー続ける

 身長169センチのがっしりした体格で当たり負けしないパワーでのポストプレーに空中戦も強い。2度のサッカー女子ワールドカップ出場、なでしこリーグ3季得点王など実績十分だが、多くの女子選手がそうだったように長く働きながらプレーを続けてきた。ジムやプールの監視員、健康センターの食事受付係――。14年からは三井住友海上に入社し、週2回出社して集計業務や資料作成を担っている。

 能力から言えば早くからプロ選手の道を選ぶこともできただろう。さらに今季から国内リーグのプロ化に伴って多くの選手がプロ契約を結ぶ中、勤務しながらプレーを続けることを選んだ。「会社への恩返しになるし、多くの会社関係の人に女子サッカーに興味を持ってもらえるから」。そこに迷いはなかったと言う。

 ピッチで見せるアグレッシブさと打って変わり、会社での様子は「いつも笑顔のほんわかした雰囲気で、いやしてくれる存在」と同僚の飯田紀子さん。試合後は堂々とインタビューに答えているが、リーグ優勝後などの社内のあいさつ回りでは「緊張する」と恥ずかしがる姿も見せるという。素直な性格でみんなに好かれ、他部署の社員からも「次はいつ出社するの」と聞かれる人気者だ。

 数多くの支えてくれた人たちへ、そして「自分を育ててくれた第二の故郷」である福島へ、今選手である自分ができる恩返しはピッチで活躍すること。コロナ下での五輪に向き合う。「少しでも沈んでいる気持ちを元気づけられたら。自分たちはピッチ上で、それを表現する」【大島祥平】

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